きばっど育英館 新しい出会いを楽しみに H29.4.11
「我逢人」という言葉がある。育英館に来て一年でいろいろな人に出会うことになったが、教育講演会で会った講師の宮下純一君は実にさわやかな若者だった。「自分の一番きらいなものが今の自分にとってかけがえのないものになっている」と水泳との出会いを語った。彼がオリンピックで水泳の金メダルを手にするには、実に多くの人との出会いがあったと語ったことも感動的だった。まさに出会いが人を変えるの典型である。
私たちはその出会いを活かすことを忘れてはならない。AIのめざましい発達により、多くの仕事が人間を必要としない時代がやってくると言われている。また、考えても見ないことが仕事になるとも言われている。好き嫌いでなく、できるかどうかだけで仕事となる時代になるのかもしれない。その意味では、好き嫌いを超えてチャレンジする気持ちを鍛えていきたい。宮下君のチャンスはチャレンジして、自分をチェンジする人にだけやってくるという話は実におもしろかった。
大河ドラマで真田昌幸に出会えたことも大きかった。「虚心」とは、何もかも忘れて取り組むである。これは今年の大河ドラマ「真田丸」で草刈政雄が演じた真田昌幸の言葉だ。中学校野球部、サッカ-部の試合でみた生徒たちは戦国時代の武士にも見える。決勝戦になると、「戦い」だ。真剣で斬り合う所はないのたが、雰囲気がすごい。応援している保護者も感じておられるだろう。あの瞬間はまさに何もかも忘れて…だと思う。若き日の真田昌幸を描いた小説に出てくるこの言葉が彼の生涯を決めたといっても過言ではない。初陣を不安に思う昌幸に、信玄の弟、信繁がとらわれない心を持てと「虚心」を語る場面が実に印象的だった。ちなみに、真田幸村は後世の名付で、本来は、父である昌幸が生涯、尊敬し、慕った御屋形様信玄の弟の名前と同じ「信繁」である。
最後に出会ったのは、朝ドラのべっぴんさんである。朝ドラのメッセ-ジ性の豊かさには驚くことが多い。今回は4つ葉のクロ-バ-に隠された言葉がキ-ワ-ドであった。「友情」「信頼」「勇気」「希望」の4つの言葉と4人の女性の人生がうまく組み合わされていく。平凡だが、非凡である。ある意味、「貫き極めろ」にも通じる話だった。「べっぴん」とは特別な品であり、相手のことを思い作り出されたものである。全編に愛があふれる素晴らしい朝ドラであった。最後に、亡くなった父母が現れ、娘たちの生き方を褒め、「きみたちふたりがべっぴんだ」といった場面にはさすがと感動した。世の中の人を幸せにする仕事を生涯通してよくがんばったと語った。
今年は教育講演会で「頼み事は試されごと」という前向きな生き方を語る中村文昭さんと出会うことになっている。今年も「我逢人」でいきたい。新しい年度が始まる。どんな人に出会うのか。楽しみである。自分も出会えてよかったという人になれるよう精進したいものだ。そして、平成29年に出会えた人のよさを見つけ。きばっどに書けることを目標としたい。