きばっど 研究会に参加した後は(2) 2019.12.13
「本時の実際」は、時間の流れや発問など、実際活用する立場でみると実におもしろい。同じ教材の10分でやれるところに20分かけている指導案だとする。まず、10分の時間に見合う活動なのかどうかの考察からはじまり、その活動の深まりやゴ-ルを考えてみると実にいろいろなことが見えてくる。自分ならどう授業するの視点が大切なところだ。同じ課題でも生徒の実態でかわるので、本時の活動がアンケ-ト分析とリンクしているかどうかをみることも研究になる。いつまでみてもおもしろい。
さて、生徒の躓きが予想され、それを解決する手立てが書かれている指導案は使える。ゆさぶり発問が明確だったり、評価基準がよくわかったりと、研究会のテ-マとリンクしているはずだ。生徒と教師のやりとりを見る視点もここにある。大事なのは、参観者に見てほしいが伝わる指導案になっているかどうかだ。そんな指導案に出会えると、研究公開を見に行きたくなる。ぜひ、指導案は授業前に配布してほしい。
次に授業資料として添付されるワ-クシ-トだが、先生の解説や指示が明確でないと使えないようでは困る。このワ-クシ-トは授業のどの部分で活用されるのか、空欄で書き込めるようになったものがつけられているが、正確には埋められたものと2種類必要だ。できれば、他のクラスの生徒が書いたものだとさらによい。国語科の話で恐縮だが、「読む書く聞く話す」の技能のどれをねらうのかと質問すると、ほとんどは書くと話すからはじまり読むも聞くもだと答えが返ってくる。ワ-クシ-トのどこの部分でどうすると、考えると、あまり複雑なものはいかがなものか。生徒の読むや書くのスピ-ドや個人差に応じる工夫はしてほしい。
指導案の作成のねらいを裏付けるために、国語科でいうと、あらすじ構造や文図も提供される。どんな意図で作られ、授業にどう関わるものなのか解説してほしい。人物の関係図なら、その人物のまわりに関わる叙述を書き出したり、その表現の意味をまとめたり、重要な語句を囲んで明確にしておくことが必要である。すっきりした板書と同じですっきりした資料を提示したい。
研究会に行き、学校に帰り、ほっとする前に授業を見ながら書いたメモを見返して、文章化しよう。授業後研究会に出席できたら指導者の言葉も思いだそう。授業者の意図が参観者に伝わったのか。そして、どんな意見が出たのか。会の様子を自分なりに整理しておこう。授業だけ見たら、同僚に感想を語ってみよう。自分がどこを見ていたのかを再認識することになる。この一手間が授業を見る目を育てる。コ-ヒ-一杯の時間が次の授業づくりの何時間分にもなるはすだ。