きばっど 市立病院ライフ回想 2 2019.11.27
手術当日よりも2、3日後が痛みはひどくなる。14、15日の夜は痛みでなかなか眠つかれない。うとうとしているが、3時間おきに目が覚める。とりわけ、深夜12時ごろに痛むから不思議である。3日間、痛み止めをもらった。その痛みも16日、17日、18日と引いていった。その引き方は「7、5、3」という感じだった。11月に入院したから、7、5、3が浮かんだ。
新田先生から術後出血は患部からチュ-ブを通して、ドレ-ンに溜まるとの説明を受けていたが、首の横からぐるっとまわしてあるチュ-ブには驚いた。2日め、3日めと量は確実に減るが、このドレ-ンがあるので、出血を気にしなくてすむのはありがたかった。構造的には簡単そうに見えるが、チュ-ブとドレ-ンの中身に悪血を吸い出す工夫がされているようだ。ドレ-ンには血液が溜まるので見た目はよくないとかわいいポシェットが考えられたのだろうか。
首からかけたポシェットの中身は、この血まみれのドレ-ンだ。土、日の見舞いに来てくれた人々はこのポシェットをかわいいといったが、中身はもちろん見せられない代物だ。
18日になるとだいぶ楽になった。3分粥も300グラムでは足りない。料理はよく工夫されていた。はじめは、デザ-トのメロンも2センチ角カットしたものがでていたが、おかゆが5分になると、大きさが当然大きくなった。おかゆの味付けにはみそ、のりというチュ-ブに入ったものが添付され、味つけになった。自慢でないが、10日間の病院食、すべて完食した。
主菜は魚だったが、俗に言う、骨なし魚で骨抜きの一手間がかかっているものだった。単価が高いか、調理に時間がかかるか、手の込んだものだった。味付けはちょうどよく食べやすかった。デザ-トのプリンも実においしかった。
ドレ-ンがとれた日の夕方、新田先生から取り出したものについて説明があった。いろいろと心配したが、摘出したものは良性であるとの診断だった。結果、最長6センチで円錐形部分と周辺の組織、皮膚の一部という大物は、私より先にあちらへ旅だった。こぶとりじいさんと同じようにこぶをとってもらった。新田先生、平野先生ありがとう。けっしてオニさんと同じに取り扱いませんからね。このご恩に報いるよう、おしゃべりに励みます。
このころになると、夜の睡眠もとれるようになり、痛み止めともお別れできた。シャワ-解禁となったが、「傷口がぬれると不安」と話すと、看護師さんが髪を洗ってくれた。美容師さんにも洗ってもらったことないのに‥。口腔衛生のためにうがいに心がけた。結果、よいリハビリにもなった。舌、顎、首の動きの連携が次第にとれてきた。担当された新田先生と平野先生は朝、夕、必ず顔を出されて、病状のチェックをされた。本当に心強くありがたかった。質問に答え、ジョ-クにも対応するなど、精神衛生面でもよくサポ-トいただいた。