きばっど SGWの思い出 2019.5.20
福岡県立美術館のディズニ-のア-カイブス展に感動した。ディズニ-ランドをつくる夢を実現したウオルトの人生をすべて保存してあるといっても過言でないすばらしいア-カイブス展だった。
さて、ミッキ-マウスの顔が変化していることをご存じだろうか。自分の思い出を少し語ると、東京ディズニ-ランドオ-プンの年に出かけた。お恥ずかしいが新婚旅行だ。その際のおみやげ袋にあるミッキ-とつい最近のミッキ-は顔がずいぶん違っている。この展覧会のポスタ-を見ると、ミッキ-の顔の変化を並べたものが掲載されている。キャラクタ-グッズもそのシルエットをデザインしたものだ。そして、展示会の最後のブ-スにはこれがお土産品として、それぞれの顔のミッキ-のぬいぐるみが並んでいる。顔の変化に驚くが、これだけ長い間、愛されたキャラだということがわかる。
「美女と野獣」、「アリスの不思議な世界」などの実写で使われた衣装や小道具が並べられている。考えてみると、50年ほど前に、白雪姫やシンデレラから、ピ-タ-パンやダンボまでアニメとして作成されている。実写化は夢の世界へもう一歩私たちを近づける試みかもしれない。この展覧会を見ているとそんな気がしてくる。アニメ制作の際に集められた資料やその過程で作られたものが実写化でも利用されている。
ウオルトの夢は世界中の子供たちに夢を届けること、そのために夢の世界が必要だった。大人も子供も楽しめる空間、ディズニ-ランドを作ることだった。その夢は実現した。現に日本の子供たちも彼の映画を楽しみ、キャラたちを友達のように慕っている。人生は楽しいことばかりではないが、笑顔になれる時間や空間があることがすごい。
展示品の中に3Dム-ビ-があった。立体画像のミッキ-が動くショ-トム-ビ-だ。動きがリアルでバラの花をもつミッキ-は生きているようだ。現状に甘んじることなく、次の夢に向かう姿勢を示しているようだ。この作品に魅了されながら、ウオルトの夢は今でも進行中であり、実現に向けてそれを支える数多くの人がいることを感じられる時間だった。
福岡の町に夏が近づく。川面を渡る風は実に心地よい。都会のビルに囲まれてひっそりと水鏡天神社がある。縁起の末尾に福岡の天神という繁華街の名前のもとと書いてある。讒言により配流された菅原道真公は川面を水鏡として映る自分の顔を見て嘆かれた、その地に建つ神社である。
ディズニ-ランドもいつかは、この天神様のように地名として残るのだろうか。一人の人間の思いが広がり、大きな夢を実現することを思うとき、希望や夢のある未来は愛される一匹のネズミに象徴されているのかもしれない。