アップル社の研修で話題になったが、学習のスタ-トは「家庭でのソフト学習で」という発想もおもしろい。また、この際に、問題の通過率等の学習歴が明確に残っていると、発展や補充学習の一つとして、授業中にその生徒に合う学習ソ-スを選択でき、個々の生徒の学力向上が図られるに違いない。教師のIPAD活用能力が向上すると、ソフトコ-ディネイターとして、生徒の学びを今以上に支援できる可能性がある。
今までにない支援を可能にするという点では、ハイブリッド化はけっこうおもしろいと思う。後は、『自分のこととして』やる、始めることがポイントとなるだろう。
新聞や雑誌で、語彙を獲得する機会の少ない生徒にも、ウェブニュ-スを通して学習をさせることで、新聞を読むのと同じ効果をあげられる。消えてしまうだけで、場所もとらない。○○シャワ-的な使い方には好都合である。この利点は大いに活用したい。検索の仕方を身につけさせるには、辞書等できちんと学ぶのも大事なので、学年や単元のはじめでは、調べ方を取り立てて学習させることも必要である。
教科を横断的、総合的に学習する際に大切なのは、どうつなぐかである。または、つなぎやすいように教科指導を展開するである。総合的な学習の時間を導入する前段階として、クロスカリキュラム型の総合を経験した人なら、かなりイメ-ジできる。クロスカリキュラムを簡単に説明しよう。「目」というテ-マで、保健体育、理科、国語という各教科が学習を展開する。その際に理科では「目の構造」を取り上げ、保健体育で「目の健康」を取り上げ、国語で「目について書かれた随筆を学ぶ」というカリキュラムだ。各教科の指導計画をすり合わせて、同時期に目について学ぶようにする。目についての理解が深まることは当然だが、同様に、「耳」、「鼻」、「口」の学習をグル-プで追及する時間を設定できるというものだ。
教師の知らないことも多くあり、ともに学ぶという点ではなかなか楽しかったことを覚えている。他教科でどう教えているのか。最後のまとめは、パワ-ポイントで作成させて、ブ-スを作って屋台村形式で発表させた。動画ソフトが発達しているので、今こそ各教科をつないで学習してその成果を発表するとおもしろいと感じている。
クロスカリキュラムを実施するわけではないが、生徒が各教科をつなごうとする関心・意欲をもてるように、教師の語りも工夫したい。自分の教科で学習の輪を閉じてしまわず、他教科への発展の部分を残しておくことが必要だ。学習の輪を閉じないことが横断的、総合的な学習のカギとなる。
生徒の学力の伸びに英語力が大きく貢献した。さらに一歩踏み込んで、これからの時代を生き抜くには、どんな力が必要なのかを改めて考えたい。課題が複雑化、多様化すればするほど、それらをつらぬいたり、つないだりして、解決していこうとする力こそ大切である。柔軟な発想とモデルにとらわれない生き方を志向させたい。お手本がないので不安だし、大変だが、それでも前向きに進もうとする生徒を育てたい。
「少しの勇気と元気があれば、本気になれる」