文化祭でミス、ミスタ-育英館というプログラムがあり、生徒たちがそれぞれパフォーマンスを繰り広げて、代表が決まった。我々が考える育英館生のイメージとあっているのだろうか。ある能力が優れているとか、いないとか、この演目を見る限りはすべて許容の範囲のような気がした。簡単に言えば、どの生徒もミスであり、ミスタ-なのだ。その意味では、育英館の生徒というイメ-ジは定着しているのかもしれない。
足が速い人といってもサイボ-グ009の加速装置がついているわけでもないし、中高生であれば、100メ-トルを走ると、速い者は11秒くらい?から、体調不良やケガをしたとか、走れない事情がある者をのぞいても30秒ぐらいの間に入る。しかし、「走る」という基準が当てはまるのは、15秒くらいまでかもしれない。もちろん、だれもがピアノは弾けないが、練習すればある程度弾けるようになるということだ。しかし、ミスやミスタ-が決まるということは、そこに何かしらの違いがあり、印象に残る何かがあることだ。
この演目から発想して、「育英館の平均的な生徒とは、だれ?」と人を求めてみると、育英館の今が見えてきそうだ。育英館の課題が見えそうだ。成績のグラフを思い出すと、他校との比較が分かる。しかし、数字は抽象的で、親近感がわかない。だれ?と生徒を思い浮かべると、課題は浮き彫りになる。簡単に言えば、その生徒のレベルを上げると育英館もアップする。イメ-ジ化しやすいし、具体策も考えやすい。
さて、生徒募集で各学校訪問する際に、私たちは何をもって「違い」を出しているのだろうか。各学校の学校訪問を受けた経験からいうと、各学校の訪問はみんな同じで印象に残らない。千と千尋の神隠しの「かおなし」ではないが、違いがないのではないか。先の話に戻ると、「走る」だけでは決められない。ある女子生徒がゴ-ル直前で手をふりながらテープカットしたシ-ンを鮮明に覚えている。今年の体育祭のヒトコマである。この驚きの感情は、彼女の存在を強く意識させ、もしやミス育英館?とゆさぶられた感じだった。このようなパフォーマンスで各学校に印象付けたい。
季節はすでに秋、育英館のよさを印象づけるラストチャンスである。ここで、指導監からもらったネタを紹介したい。学校訪問の視点は「ほめる」である。具体的には、①材料を探す…校門から玄関、玄関から職員室あるいは校長室までを観察する ②具体的にほめる…「靴箱の靴がきちんと並んでますね」、「校門の花がきれいですね」 ③自分の言葉でほめる…「四季折々の花が咲き乱れとよく言いますが、まさにぴったりですね」、「校訓の明朗活発は元気のよい生徒のあいさつで実証済みですね」
なるほど、①~③の「ほめ技」を具体的な話に入る前に、取り上げることは実に効果的、「ほめる内容」を5個は準備したい。これら「違い」を作り出す方法を、早速、身に着けたい。話が一段落したと考える瞬間に、「すばらしい学校ですね。いつ来ても」と殺し文句も言ってみたい。ほめられて悪い気はしないのは、当然だが、それ以上の効果が期待できそうだ。許容される範囲の違いと一線を画す育英館オリジナルでぜひ、秋の陣を勝ち抜いていただきたい。