6月までには
4月のスタ-トから2ケ月、気温の上昇とともに学校事故が増える時期である。ふざけあいによる思いがけない事故もおこる。その意味で6月は1学期の魔の曲がり角でもある。長日性の花といっしょで、日中の長さに比例して、生徒の活動時間や範囲が拡大する。いろいろな行動が目立つようになり、慣れから悪い意味の狎れになりやすい時期である。生徒の問題行動だけでなく、体に害を及ぼす虫の心配もしなくてはならない。梅雨入りによる自然災害も含めると、まさに危険がいっぱいの季節がやってくると心を引き締めたい。
そこで、校舎内外の安全の再点検を行いたい。湿気が溜まるとすべりやすい場所から始まり、経年劣化で危ない場所まで丁寧に把握しておきたい。生徒数の増加や、新しい道具の活用など、初めての要素もいろいろ存在するだろう。その中での気づきや対応は、教師自身の危険予知能力にかかっている。要素となる、学校の施設設備、生徒の行動(廊下階段での走り、ふざけあいなど)から起こる事故を防ぎたい。そこで、未然に防ぐためにもそれぞれの視点や言葉で落ち着いた行動のために声かけをお願いしたい。
心はコロコロところがるもので、気温上昇とともに転がり方もひどくなるのは当たり前だ。それを落ち着かせるためには「止めること」がポイントだろう。心を見つめるために、黙想して外部の情報を遮断する。背筋を伸ばしたり、姿勢を正させていこう。形をつくることが心を止めることになる。まるで、心は内接する円のようだ。三点が決まり、結んだ直線の中ではしっかりと動かなくなる。その次は3つの点に当たるものを考えると、時間や手順はしっかりと決めること、いつもやる行動をていねいに行うことなどが効果的である。授業の始まりは、黙想の後に、きちんとしたあいさつである。教師はそのゆとりや心構えをもちたい。起立させて机の横に立たせる。音を立てずに、チャイムとともに起立する。この何気ない動作が心を落ち着かせていく。
さて、666の連続の日がやってきた。年輩の人はオ-メンというホラ-映画を思い出すだろう。数字の並びには興味・関心のドアを叩く不思議な力があるのはよく知られた話だが、毎日の行動も習慣化すると心の鍵になる。つまり、形やフォ-ムは心まで変えていく力があると言える。育英館三本柱は、まさにこの生活の鍵、心を安定させる三点である。これを守らせること、しっかりと身につけさせることこそ、くずれがちなこの時期を乗り越えるのに必要だ。結果、学習の充実にもつながる。予習、復習のリズムができると、自走学習を支える生活習慣が確立する。もちろん、食事や睡眠等の確保も大切だが、決まった時間の学習こそが、数字の並びのような効果をもつ。「その時間になると、勉強をしたくなる」気持ちまでは6月のうちに育てたい。