勉強の仕方がわからない
「勉強の仕方がわからない。」という相談が多い。勉強の仕方は、本人が自分で身につけないといけないものである。基本的な勉強の仕方は、朝おきたら、顔を洗い、歯を磨いて…の世界である。決まった時間に決まったことをする。この習慣ができていないものが「勉強の仕方がわからない」の大半である。まずは一日の生活のリズムをしっかりつくる。勉強する時間を確保する。そして、勉強の目的を明確にする。その上で目標を具体的にすればよい。「全教科80点以上」より「学年10番以内」がやる気が出る。しかし、目的はずっと先にある「志望校合格」である。指導者がこれを分かっておくことが大事である。
目的や目標がはっきりすれば、決まったことをくりかえすも苦にならない。ものを覚え方にはタイプがある。じっくり見て覚える、声に出して覚える、書いて覚えるなど。インプット方法も人それぞれである。これで覚えられてテストの点数につながると考えてはいけない。インプットしたら、アウトプットしてみることだ。授業をまとめるタイプの先生なら、ノ-トを見ればほぼ授業を思い出せる。そこで記憶に残った箇所を再度確認するとまずは良い。できれば口に出してみることだ。これで身につく。まとめのないタイプなら、ノ-トを見直して、下線を引いたり、追記したりして自分でまとめよう。これらを1~3日の間にやるとよい。忙しくても自分なりに振り返る作業をすればインプットなのである。土、日の学習は毎日の振り返り不足を補う時間と考えたい。
4月の学級開きから生徒が少しずつ見えてくる今、困り感をもつ生徒を見逃さないことだ。学習の仕方もわかると、全体的か部分的か、とにかくインとアウトのくりかえしができているかどうかである。基礎・基本的ものは暗記している知識に左右される。ただし、これが応用となると、類似問題にとれだけあたったかと経験値的なものが必要である。数学なら、基本的な問題をきちんと解けることだ。できない部分を意識するために「赤」で書き込むことも大切だ。物理や化学なら、一日一題をしっかりと解いて、問題傾向をつかみ、習得する。大変だが、各教科80~100個くらい定石を身につけるとかなり応用がきく。これらの定石は英語の基本文型によく似ている。
成績を上げたければ、人より早くテスト計画を立て、取り組むことだ。はじめのうちはなかなかでも、計画表があれば意識する度合いは全然違う。目標点設定や「○○さんには負けない」が勉強を進める力にもなる。「テスト→計画→計画表→努力→反省」のサイクルで勉強方法に気づく。成績のよい友人のやり方をまねるもよし、よい点数をとれた方法を他教科にも応用するも良い。とにかく、自分がもっともやりやすい方法を見つけて、身につけるのが一番。勉強方法の研究も学級みんなでするとよい。国語チ-ム、社会チ-ム等で学習方法を研究するとよい刺激になる。