テレビから学んだ…
「テレビから学ぶ」は昭和生まれの特権かもしれない。もの心着いた時にテレビがいた。とりわけ「教育テレビ」と名の付く5チャンネルにはずいぶんとお世話になった。今風にいえば、映像ならなんでもあるユーチュ-ブ感覚で学べたである。今だに覚えているので、インパクトはずいぶんとあったのだろう。
小学校低学年では週に2~3時間は見たと思う。「良太が行く」という番組が楽しみだった。街の中にあるいろんな疑問を良太少年が追究する話だ。今でいう地域探検やキァリア教育、はたまた探究学習の合体したようなものだった。「社会」の教育番組だったと思う。いろいろな場所を小学生視点で尋ねるという構成は、年齢が近いことから自分もいっしょに回るようで親近感がもてた。
我が子が小さい頃は、「世界ふしぎ発見」、「所さんの目がテン」から、朝ドラに大河ドラマまで、親の好みで絶対視聴させたのもなつかしい。それぞれがスマホで見る時代なら「テレハラ」とでも言われそうな話だ。なかでも池上さんの「子供ニュ-ス」は最高の番組だった。お父さん役で実にわかりやすく、今を解説していただいた。学んだことは半端ない。おそるべしNHKである。
今のテレビはショ-化して、内容は刺激的である。朝から時計代わりにスイッチオンすると、流れてくる映像にショックをうける。視聴者、ドラレコ、それらを編集して、まざまざとした状況が5時、6時、7時と同じニュ-スで流れていく。3回も見せられると、後味も悪い。チャンネルを替えても、今度は同じ大谷さ~んの映像が流れていく。その点、NHKは今でもよくやるねと感心する。
映像も情報も選んで見れる時代に何をどう提供するのか。メディアには本当に難しい時代になった。天気予報や行事案内等と身近な情報を細やかに伝えることが求められる。いっそのこと、より年齢で階層化した番組構成にすればよさそうだ。地域、年代視聴率を話題して、SDGやLGBTを取り上げる、また、グロ-カル視点などのポイント制をめざすのも一つの選択ではないだろうか。
今でも「解体キングダム」、「魔改造の夜」、「ブラタモリ」には興味をそそられる。どれもが見て知っていることを確かめたり、本当の意味をわかったりである。「博士ちゃん」、「チコちゃんに叱られる」や「がっちりマンデー」などは、知らないことを知る喜びにつながる。学ぶ楽しさでついつい見てしまう。
選んで見るもよいが、選ばずに見るもよい。今の時代なら、情報収集トレーニングにテレビはよいのかもしれない。「端末さえあればネットサ-フィンできます」も懐かしい。今は情報が溢れすぎて、流れや渦、竜巻に巻き込まれ、命を落としそうだ。オズの魔法使いのドロシ-ではないが、靴のかかとを自分からトントンとあわせて、ネット海を上手に乗り越えたい。しかし、その先には、AI海に、メタバ-ス海と海図にのっていない多くの海がまだまだ続いてる。