あれこれと考えて
「がっちりマンデー」は日曜の朝のおきまりになっている。本編後に、森本さんが今後注目したい企業を紹介する「CM2の後で」はひと味違う面白さだ。このコ-ナ-で紹介される人気店に共通するのは、新しい発想である。それは、スキマ時間活用だったり、誰も手をつけていない未知の領域への挑戦だったり、得意な商品の一点特化だったりと、脳トレなみの興奮を味わう時間である。
その中でもすごい発想が、「人任せ」である。出店場所、メニュ-、店の名前、すべてプロに任せている。平然と、「人に任せて」と語り、人気店を8つも抱える社長が出てきた。「抱える」と語り、「経営する」と言わないのは、経営さえも他人任せと聞こえるからである。私は「何もわからないので」「何もできないので」が口癖である。自分が無力だとわかっているから、他人の発想を生かそうとする。どれをとるかを判断しているすごい人だと思ったら、その判断も他人任せのようだ。この社長にはそういうスタッフを見つけ、組み合わせるのが仕事のようだ。ある意味、新しいタイプの経営者だ。展開している8つの極狭小店舗でも収益率がすごい。ここまでくると、店が大きいのとか小さいとかは関係ないのかもしれない。スタッフを見つける目が半端ないのだろう。
もう一つ、金曜夜の「トリリオンゲーム」もおもしろかった。基本的に金儲けの話だが、その目のつけどころに驚く。ゲームクリエイタ-をスカウトするときに、はじめは「年俸」で引き抜こうとする。しかし、彼はゲームを作ろうとする「チ-ムの熱量」に賛同して、自ら移籍することになる。この回では「心が揺れる瞬間」が刺さる言葉だった。もうける仕組みをどう作り出すのかという話である。生徒募集で悩み、他校との違いを明確にしようと考えていると、ついつい、我がことのように感じてしまう。もうける仕組みではないが、先生と生徒の関係も心のふれあいから始まる。心の琴線にふれることが一番、体験入学では在校生も交えて、脱出ゲームをしている。人間同士がふれあう時間を多く設定している。これは先ほどの「心が揺れる瞬間」を作り出す意味では成功している。面倒をとことん見てくれる教師集団の熱量も感じ取れるのだろう。
トリリオンゲームはもちろん漫画の話だし、こんなにうまくいくはずはないが、ヒントになることは多い。企画立案やライバルとの闘いは、どこの世界でもつきものなのだが、金や時間を言い訳にしないところがすごい。すばらしい企画立案ならば、時間も金も連れてくるからである。「仕事が終わらない」のは人間力が不足だ。自己開発に努力しなければ、同じ仕事に何度やっても時間をかけすぎてしまう。タイムパの時代には不向きだ。教師も同じで自らをよき方向にカイゼンできる教師だけが生き残るのだろう。リスキリングにある「リ」を常に意識して生徒とともに学びたい。生徒に言う前に、自ら自己成長を図る努力を惜しまないことだ。