人間関係を把握するなら
5月には1日遠足がよく計画される、これはチャンスで、ここで担任として人間関係を把握する。食事を食べたり、ゲ-ムをしたりと、何気ない行動に実に人間関係がよく出てくる。仲良くなりたくて、まわりをうろうろしたりする生徒、我が道を行くとさっさとお弁当食べている生徒、実に多彩な人間模様を見ることである。その様子をメモしたい。用紙に○を書き、簡単な位置関係、場所を書き込むと、立派な相関図ができあがる。○にはもちろん、イニシャルで書くのだが、この時期の教育相談の基礎資料にもなることは間違いない。
あわせて、自由時間の生徒たちの様子を見ながら、1月経った学級のまとまりをチェックすることだ。どんなグル-プができているのか。みんなと語り、行動できているのか。仲間はずれや自分から離れる生徒はいないか。教室では発見できなかったものを見つけたい。まとめ役はとか、キ-マンはとか、今後の学級づくりに欠かせない。見えないものが見える場でもある。
学級の役員に力のある生徒が選ばれているとは限らない。適材適所を選ぶのはなかなか難しい。だから、面白い。学級をうまく動かすには、理と情が必要で、エンジン、アクセル、ブレ-キ役はどうしてもつかんでおきたい。その他にウインカ-やカメラなど役割を考えてみるのもおもしろい。現在の役員を支えるためにだれと関係づけるとよいかを考えるのも楽しい作業だ。
5月は人間関係の疲れからトラブルが発生する。関係修復を図るためには、今の関係をこわして、ひろげる努力をさせることだ。創ったり、壊したりで人間関係はさらに深まる。表面だけのつきあいでは大きな行事は乗り越えられない。次にある体育祭や文化祭にむけて、学級としてまとまり、高まる必要があることも語りたい。好き嫌いでなく、行事をみんなでうまくやりとげるためにという目的を常に忘れないことだ。「為すことによって学ぶ」特別活動の意義はそのあたりにある。
4月の学級経営案の修正をかけるのも5月のこの時期だ。生徒の様子が見えてきたら、経営案を見直すとよい。学力向上なら、静と動の区別や授業中の態度などを数値目標として提示する。道徳性やル-ルの問題なら、教科担任や主任からのアドバイスも計画する。学級は担任だけではなかなか難しい。副担任をうまく使ってほしい。また、副担任は担任が動きやすいように経営に参画することだ。副担任なりの目標も入れてもらおう。
新入生も遠足をもって、育英館の一人になる。戦力として扱われる。体育祭がやってくる。コロナ前にすべてもどるのはなかなかだろうが、達成感や成就感は味わってほしい。しかし、すべてはバランスとタイミングである。学級経営にもプラスに働くように、全員で取り組みたい。1学期のヘソを逃さないようにがんばりたい。