NARADEWA
ある学校のパンフを見た。書かれた特色は本校と変わらない。施設や方法などは導入してもすぐにマネされる。結局は、授業で勝負となる。どんな授業も先生と一体化して成立する。好きな先生に習うと上達が早いのはそのためだ。好かれる先生になるには、生徒に期待することだ。そのためには、生徒をよく知る必要がある。よく見て、個々の情報をできるだけ手にする。そうすれば、生徒への期待は必ず出てくる。ここまでできるようになってほしい。教師側の思いは生徒を伸ばすのにぜひとも必要だ。しかし、タイミングやバランスは大事である。急いではいけないし、行き過ぎてもいけない。手順をふんで、好きにさせると、無意識に好きにさせるの両面ができる教師でありたい。魔術師のようだが、教育の根源はここだと思う。好きになれば自分で学ぶようになる。
生徒を引きつけるには、導入は大切である。授業は第1声で決まる。とにかく元気よくスタ-トである。そして、今日の授業に関係ない話から始まるのもたまにはよい。起筆の妙は「遠回り」である。「打ち込みは宇宙の一点から持ち出した動きで、紙に筆を下ろす」などとたとえられる。広く深く、無関係である。日常生活や歴史などから始めて、今日の授業につなげるまで、毎日、毎時間、導入を変える覚悟で臨みたい。一見つながらないようでも、授業の要素をちりばめるなら、実験や師範演技も立派な導入となる。おもしろい話ならさらによい。作文指導の導入として、一文字の効果を取り上げたい。「一文字で変えるだけで、人が変わる」と語り「よちよち、よろよろ、よたよた」と例をあげる。幼児、飲み過ぎた人、お年寄りと歩く動作が浮かぶ。本質と深く関わりながら、一見関係なく見える、感じる導入にチャレンジしたい。
展開では、意見交流が学習意欲を向上させる。人は本来おしゃべりだ。だから、じっくり考える自己追究ではわざとおしゃべりを禁じる。自分の意見をしっかりともたせておく。しゃべりたいのをがまんさせて、「はい!話し合い」の流れが効果的だ。ここで、教師は交通整理をしたい。そのためには、発言をよく聞き、理解度を把握しておきたい。考える条件をしっかりと与えないと、自由勝手な発言となり、深まらない。何を追究し、話し合うべきかを明確にしたい。板書は生徒の発言をもとに組み立てる。取り上げられただけでうれしい。
本校ならではの授業をぜひ創造してほしい。変化を恐れずに、自分の授業を変えてほしい。資料集や用語集を活用する教科ならどちらかをiPadで、反転学習で事前に動画を見させておく、感想やアンケ-トはクラッシ-で吸い上げるなど、日常的な活用で、授業構成やポイントを変えたい。彼らが生きる時代を予見して、私たちの教育をデザインするべきだ。NARADEWAにはAが3つ、Eが1つある。Eを恐れないで、すべてAにするという意気込みで、「育英館なら(大丈夫)だわ」としたい。