ハチドリに負けない
台風の成長が速くなったのかな?と思うことが多い。14号はあれよあれよで、930hPaというとんでもない強さの台風になった。海水面温度が高いのが原因という話を聞きながら、いよいよ温暖化もここまできたかと、地球のことが本当に心配になってきた。
海はどうなっているのだろうか。サンゴ礁の白化は海水温の変化で引き起こされる。沖縄、奄美、佐多岬と新聞記事にはこの話題がよく取り上げられる。「サンゴがあるから、魚がいる」はよく知られた話だ。サンゴは南の海のオアシスなのだ。これがなくなれば、当然、魚もいなくなる。黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)とが混ざりあう漁場では、魚がたくさんとれる。この一文は、小学校の地理の時間に習った。「潮目」とか言うらしい。栄養豊富な海には餌となるプランクトンがたくさんいる。そこに多くの魚が集まるからよい魚場になる。正直に言うが、小学生の頃、プランクトンで不思議に思ったことがある。「赤潮で養殖の魚が死にました。プランクトンが大量発生したからです。」のニュ-スを聞いた時、「ええっ、エサであるプランクトンが大量発生したら、魚も喜ぶはずなのになぜ死ぬの?」と考えた。大発生すると、酸素不足やえらに詰まって、魚は死んでしまう。プランクトン発生にも適量というのがあるようだ。どうして大発生するのか。生活排水などにある栄養分が原因と知ったのはずいぶん後の話だ。自然のサイクルに人が関わることで引き起こされる大きな問題である。
沖縄の海は透明度も高いし、魚も住んでるし、採れば食べられるし、最高だ。いいなあ、南の海は!と考えていた。よくよく考えると、きれいな海には餌がないはずだ。魚を釣る際にまき餌をするが、あれも海を汚しているに違いない。もちろん、魚が食べる分だけまくと考える釣り人はいないだろう。食べ残しはまちがいなく海を汚す。なんでも水に流せばよいと、解けない疑問をそのままにして、被害は大きくなる。地球の温暖化がどんなにして引き起こされるのか、今はどこまでおかしくなっているのか、どうしてそうなったのか、わからないままに生活していることで、とうとう危険な所まで来ているのではないか。
日本を襲った大きな台風の映像を見て、今回の被害も知れば知るほど、温暖化が進んだ、しかたないで終わらせられなくなってきた。今後も同規模の台風が来るのではと心配でたまらない。やはり、やれることはやっておきたいものだ。二酸化炭素やゴミ削減でよいなのか、とにかく、力をあわせて問題解決に取り組む時に来ている。山火事に水を運ぶ小さなハチドリの話ではないが、小さいから無理だとあきらめてはいけない。温暖化を引き起こす危険なサイクルを理解し、地球を大切に思う気持ちを強くもち、課題解決に当たりたい。未来の子供たちによい世界を残すのは大人の使命だから。ハチドリに負けてはいられない。