きばっど 考えるよりまず行動 R4.2.10
頭のよい人はとかく否定的に物事を考え、行動しないことがある。始める前から不可能だと結論を出す。頭がよいと失敗したくないので、できない理由を探すという訳だ。ところで、できる理由を探す人はどうだろうか。これはこれで少ない。つべこべ考えるひまにやってみてできた人も多いという話だ。
試しにやってみるといけそうと思われて、ついつい終わらせてしまう。そんな経験をだれもが持っている。上司から仕事をもらい、「そうか」と考えこむ人がいる。もちろん、段取りや自分の能力は?といろいろと考えるのはよい。しかし、時間をかけすぎて悩んでいると、仕事が始まらない。仕事は組織でやるものだから、この調子では組織全体に迷惑がかかる。最終的には信頼をなくす。
先輩の言葉「向き不向きより前向きで」はなぜか心に残っている。教育実習生を励ます時によく使われていた。指導する立場では、悩んでいるうちに指導案を書いてほしい。この言葉は、「迷わず進め」の気持ちを喚起する。物事はやってみなくては才能の有無もわからない。最初からうまくできる人はなかなかいない。仕事をうまくさばくなら、もらったら温かいうちに半分程度は終わらせておく。聞いた説明や指示を覚えているうちに、半分でもやることだ。このペースで始めると不思議と片付くことが多い。アンケ-トや行事の反省は書けばよいと割り切ろう。電話案件は、経過を確認して返す。ただし、口頭説明で複雑化しそうなら、上司に報連相である。新規案件は調べ、情報収集する。問題点を明確にして報告したい。電話対応は返すタイミングを間違う、内容があやふやだと、相手の信頼を失うから要注意だ。仕事は何でも任されたら早いに越したことはない。
大きな仕事を引き受けたら、自分の能力をわきまえ、段取りをしよう。何日までにはここまでとその進捗状況をしっかりと描いておこう。自分がやるならこれは厳しいと、限界を考えられるのも大切だ。よく考えずに期日を約束する人は責任ある仕事はできない。渋沢栄一には「窮する中にこそ手柄がある」の書がある。窮するほどの課題ほどやり遂げたいという前向きさは大いに参考にしたい。能力開発には障害や抵抗は必要だ。達成感は壁が高いほど高まるから、やってみることだ。任された仕事は苦しくても最後までやりぬくことだ。
うまくやろうとか、こうでなくてはとかでなく、自分ならここまではと誠実に向かい合うことである。この心構えはよりよい仕事に必ずつながるだろう。そういえば、前向きの先輩は「至誠」ともよく言っていた。「自分のいたらなさ、不十分さを知っているから、仕事には誠実でありたい」と考えていたのだろうか。仕事への態度はそれでもよいが、実際は期限があるので逡巡や遅滞はやってはいけない。誠実プラス期限厳守をめざしてがんばりたい。向き不向きをうんぬんする間に、「やり始める」をお勧めしたい。