きばっど育英館 勉強スタイルを指導する2 H28.6.13
次に、実力をつける話をしたい。過去問の活用も効果的だ。入試問題は多くの要素を含んでいるので、まとめとして取り上げて本人の力がどう形成されたかを観察できる。過去問の多くは10年単位で変遷する。東日本、西日本で傾向が違うとか、いろいろな違いに気づく目は経験値で出てくるに違いない。過去問のエキスを指導してみるのもよい。インパクトがあるので、記憶に残ること間違いない。
成功例の紹介に共通するのは、本人の学習スタイルを活かした指導である。本人のめんどうをとことん見るというのは、ある意味、学習スタイルの確立を支援することでもある。ぜひ、そういう指導をしてほしい。学び方を教えないと一定のところで伸びがとまる。我々は学び方を指導するプロでありたいと考える。
「とことん」の意味がわからないと言われたら、とことん面倒をみるのは「見守る」という意味も考えてもらいたいと答えてほしい。方法を教えて、ある程度、身につけたら、手を出すのは控えることが必要だ。試行錯誤をさせて、定着させることで、本当に身につけることができる。自分化しなければ、いつまでたっても教えなければならない。学ぶというのは自分化できることだ。そのためには、ノ-ト指導だけではだめ、効果的なメモの取り方や見直しをする時間設定など、より「時間」を意識した指導が必要である。さらに、認知スタイルを自分なりに把握させなければならない。つまり、丸暗記タイプなのか、関連付けた方がよいのか、とにかく、覚えやすい方法でやることを身につけさせたい。とことん面倒をみるのは、こういう指導を個々の生徒にあわせて行うことを意味している。もう一つ、学びの姿勢に感動させたい。教師の苦労して体験したいろいろな研究歴をぜひ、生徒にわかりやすく、教えて、学びの魅力にふれさせたい。
自分の例で申し訳ないが、セクハラとは思わず、読んでいただきたい。平安時代の美の基準は「黒髪」、豊かな黒髪美女こそ、ときめくもので、光源氏も好んでしまい、「末摘花」では失敗をしてしまう。今の女性の髪形は「尼そぎ」といって、出家する際のものにほぼ近い長さで、平安美女にはなれない。ついでに、当時は平均身長は150センチ前後なので、十二単衣も着こなすが、現代の女性の多くは十二単衣を着ると、「小山が動く」になり、光源氏は気絶する。こんな話をすると、けっこう古典も面白いと興味・関心が高まります。
ところで、先生方の研究されたことの中にはおもしろい話があると思います。育英館の先生方は、研究者としても実力あると感じています。生徒の興味・関心の高まりは、授業への熱意につながります。楽しい授業は時間の経つのを忘れさせ、理解を促進します。生徒の心のスイッチを外側からオンにできるのは、こんな授業です。保護者に授業がどうのと言われるほど残念なことはありません。授業中、生徒が寝るようであればそれは教師の責任です。漫才はおもしろくなければ客は聞かないし、テレビ、ラジオなら、offになります。授業構想を練るときに「おもしろく」という視点をぜひ入れてみてください。楽しくおもしろい授業がある育英館にしていきましょう。