きばっど育英館 愛校心の証とは H28.5.18
高校説明会に行ってみました。驚いたのは校訓を一部の生徒しか知らないことです。自分の学校への愛情とか、誇りとかどうなのだろうかと思ってしまいました。中学校から、どんな生徒を高校は求めていますかというアンケ-トがきています。躊躇なく、「自分の学校を愛せる生徒」と書きたいと思います。もう一つは「とことんやれる」と書きたいです。自分で選択していく学校であれば、好きであってほしいと思います。
学園歌を大きな声で歌う、建学の精神を唱和できるというのは、育英館を愛している証の一つです。育英館を誇りに思う生徒が多ければ多いほど、学校は自然とすばらしいものになります。大切にしたいと思えば、清掃もするし、生活にもはりが出ます。「校訓を知っていますか」を問いかけた瞬間に、「看板を背負う責任と誇り」を考えさせられました。
説明会の中では、育英館の強みは「少人数、とことん鍛え、磨き伸ばす」と説明しました。悲しいことに所在地がどこにあるのか知らない生徒が90パ-セントです。私が現役のころ、今から30年前、ラサ-ルと同じ学校というイメ-ジが育英館にはありました。最近、楠隼ができた時、育英館が頭に浮かび、遅れているなあと感じました。「英才を育てる」という育英館創立は、かなり先進的な感覚の方が、英断をもって作られた偉業だと感心しておりました。まさか、30年後にそこの校長になるとは驚きで、感激の極みです。
この学校の使命は、創立当初から変わらず、ずばり英才を育てることです。今後の日本の役目を考えた時、英才は必要不可欠です。世界を調整する力で導き、平和で安定したものとする必要があります。それに必要なのは「和」の心です。まさに大きな和で世界をリ-ドしていく人が必要なのです。そのためには、狭い考えにとらわれず、多くの意見や主張を聞きながらも、未来を見据えた決定をできる英才たちが必要なのです。賢いだけではだめ、みんなの幸せを考えるという大志を持ち合わせていることが大切です。未来を指向しながらも現状の最善を選択できる力で必要です。それが育英館が育てようとする英才たちに託された使命のような気がします。
世界の人に日本が一目おかれる存在になるためにも、この調整力を磨く必要があります。そのためには国際感覚をもち、相互の違いや意見を尊重しながら、主張すべきことは言える人でなければなりません。「あったかいんだから」というフレ-ズが流行しましたが、どの意見や主張も理解できるという温かさを忘れてはいけません。
このような大きな愛を育てるためにも、小さな愛を大切に育む必要があります。自分、友人、仲間、学友、先輩、後輩、先生と周りを取り巻く人とふれあう、学校という集団は社会的な愛情を育てる苗床です。だれもが、母校を懐かしく思い出し、心が癒されるのは、感性豊かな学生時代に愛情を育てた場所だったからでしょう。
そうなると「君は自分の学校の校訓を知っているか」と聞かれたら、答られる生徒は愛情を育んだという点からは合格なのかもしれません。