きばっど 心の栄養ドリンク R4.1.15
コロナの時代、会いたい人にも会えず、ストレスはたまる一方、ちょっとしたことで気持ちがすれ違う。何をするにも本当に住みにくい世の中だ。自信をなくして落ち込んでいる人を「どぶ〇〇」と呼ぶらしい。大学受験に失敗したり、オーディションに落ちたりと自信がある人ほどそういう状態になりやすい。恩師や親友になぐさめの言葉をかけてもらったり、激励してもらったりで立ち直るの幸せだ。そういう人がいればよいが、人との距離がうまく取れない世の中になり、なかなかどぶから脱出できない人も多いはずだ。(どぶ=下水)
そんなとき、心の栄養ドリンクを飲もうと提案したい。心の栄養ドリンクはずばり本、文字に書かれたものと言いたい。音楽を聴いたり、映像を見たりもよいが、心の病気にはそれらの感覚を遮断した方が治りやすい場合もある。病気の原因が情報過剰の場合なら、文字だけを心に入れるという治療方法だ。自分に自信がもてなくなったら、本を読もう。心の掃除をしたいなら、斎藤茂太先生の本を勧めたい。読んでいるうちに元気の出るドリンク並みの効果がある。すぐに効くので拾い読みでも十分である。落ち込み方にもいろいろあるし、症状も種々様々だ。心もカゼをひく、下痢にもなる。自己治癒力の高い人なら、回復を待っていたらよいが、回復が遅れる人は、後遺症にも悩むことになる。
症状にあわせていろいろな本の読み方がある。旅行好きな人なら、山、海、寺、仏像、グルメに書かれた本を読む。地名を読んだだけで別世界へいけるはずだ。日常を飛び出すと心のリフレッシュは成功する。写真より、音よりも妄想することだ。日常脱出の妄想旅行に参加しよう。風を感じたり、おいしい匂いもしてくる。本を読んで、大好きな旅に出て、心をリフレッシュしよう。
茂太先生の本は読みやすいし、考えやすい。自分の生き方やあり方を見つけたい人には、「だれが見ていなくても自分はこれがよい、これがかっこいいと思う選択をしてみなさい」と書かれている。生き方の美学の世界でもある。中学校国語の「一塁手の生還」という教材にも「美学」という言葉があった。「こんな行動や態度をとることが美しい」と自分でとらえると、随分楽になる。武士の美学は「死に場所を見つけたり」という運命と向き合う潔さである。必要があれば、自分の命にもこだわらない。目的があれば、全力で取り組む。やるだけやったら結果、どんな運命をしっかりと受け止める。「是非に及ばす」の信長も「ここらでよかが」の西郷もまさにこの美学に生きたといえる。美学はその人の生き方の背骨として存在していく。
さて、このドリンクにはその人の美学に気付かせる効果もある。どんなことに「美」を感じるのかと追及してみよう。やり遂げた経験値が高まり、自信が生まれる。とことんやってさあどうするかの場に立てる肚もできる。ドリンク飲んだら、どんな仕事でも向き合ってみよう。