きばっど 鉄板技 R3.11.18
学力をあげる技はなかなかだが、学級づくりの技はけっこうある。人間関係がよいと成績は自然とあがる。学級づくりは成績アップの基礎・基本と考えてもよい。人間関係がぎくしゃくすると、てきめん成績も悪くなる。ある教科だけ平均点が低いのは、先生によって態度が違う学級に多い。雰囲気が悪いと成績が伸びるはずがない。いじめなんかが起こると、とたんに学級の雰囲気はおかしくなる。逆に、学校行事等で学級がまとまると、笑顔が増えて活気のあるクラスになる。学級づくりと学力向上は間違いなく、相乗効果がある。まとまりを作るには、協力して一つのことをやることだ。口で100回言うより、助け合ってミッションクリアがチ-ムをつくるのに最高によい方法だ。
たとえば、「木偏のつく漢字をたくさん書いたグル-プの勝ち」というゲ-ムをやる。まずは、人数を決めて、順番を決める。書き詰まるところで交代する。先頭の者が書き出す。だいたい1分ほどしたら交代する。次々に書き出すが、10分程度で終了の目安にする。砂時計やストップウォッチなど視覚化するとおもしろい。生徒たちが必死になるように仕組むとよい。学級レクの定番にして、お題(英語の単語とか)を変えて月一くらいでやると効果がある。最初のうちは、担任がリードして、慣れてきたら生徒たちでやらせてみるとよい。
グル-プ同士が活性化すれば、学級もおのずと活性化する。指導ポイントは相互理解と自己肯定感である。自分の居場所がグル-プや学級にあると感じることが自己肯定感を高める。漢字が何個か書けただけでその時間はヒロ-になる。実に簡単な自己肯定感だが、これはなかなかの財産となる。他のグル-プより一個でも多く書くためには、なりふりかまわず知恵を出さなくてはならない。そのためにはお互いの立場を尊重して、漢字を思い出して書く。ミッションクリアへどんな形でも協力すること、そして、成功体験を共有することだ。助け合い、自立する学級づくりの鉄板技を紹介する本がある。全部身につけなくてもよいが、自分が得意そうなものを2から3個はもっておきたい。後から楽をするためにもクラスづくりに時間を惜しんではならない。最初が肝心。
前の担任のカラ-が濃くて、なかなか新担任になじまないクラスがある。そんな時は、自分のカラ-を鮮明に出すべきである。生徒は自分をよく見てくれている担任が好きになる。そのためには、「君は特別」と思わせることだ。面談等では個人的なものを必ず準備する。自分の子供をよく見てくれている担任と分かれば、親の信頼も高まる。そこから個々の進路の話ができるし、生徒指導の課題があれば解決への問題提起もできる。「協力して解決する」の姿勢が大切だ。鉄板技はいろいろとあっても、気持ちとして「自分が一番この生徒をよく見ている」「一番この生徒を信じている」の意気込みがあるのとないのでは効き目はずいぶんと違う。