新入社員研修で礼儀作法が重視されるのは、会社のイメ-ジがあいさつで左右されるからだ。食品を扱うお店で、清潔な服装や身なりでも声が小さく暗い挨拶ではおいしさにも響く。賢い人なら、あいさつからすべてが生み出されると知っているに違いない。まずは、あいさつから…
鹿児島育英館の卒業生に会って話をする時、いつも感じるのは挨拶がきちんとできることである。授業を受けたの、通知表をもらったのと、恩師の先生ならなるほどと思うが、見ず知らずの校長にきちんとあいさつができる。そして、会話の中での言葉遣いにも敬意が意識されている。半端ない感じの良さだ。
面接指導でよく言われるのが、まずは「あいさつ」だ。かねて、頭も下げない、声も出さない生徒が面接の時だけよくできるはずがない。成績はよくても面接で落とされることもある。採用試験は「人を選んで落とす」試験でもある。その意味では毎日があいさつの練習である。社会に出た時、いろんな人から「よい人」と評価される最低限のマナ-が「あいさつ」である。だから、面接でも評価される項目に入っている。はやり歌の「うっせえ、うっせぇ」ではすまされないのが現状だ。面接官も人間である。好き嫌いは出るだろうし、その感情に左右されるだろう。しかし、気持ちのよいはっきりしたあいさつをされて、「この人はうちの会社にはいらない」と考える担当者はまずいない。21世紀の今でもまだまだ、やはり人は見た目が100パ-セントであるようだ。
あいさつには場所、目的、相手などを考えることが必要だ。校庭で部活動をしていて、お客様に挨拶するのであれば、大きな声で、姿勢を正し、脱帽してあいさつするのだろう。会議中の職員室の前でのあいさつは同じではいけない。少なくとも声の大きさには注意すべきだ。相手が年上の人や来訪者であれば、「おはようございます」の一つにしても末尾までしっかりと言いたい。そう考えながら挨拶することが、TPOを考えるということだ。たかが挨拶、されど挨拶である。「合格して、採用されて…」と夢に近づこうと考えるなら、その願いを果たす一番の方法はあいさつであると割り切りたい。これは最低、育英館で身につけて卒業してほしい。学校は練習する場と割り切って挨拶をさせたい。先手挨拶励行である。あいさつは人と出会う時に、忘れてはならない礼法なのである。これがきちんとできるかどうかで後々のつきあい方も変わる。まさにスタートに必須なファストインプットである。プットするならいい感じで出会うことだ。
心をひらくあいさつをだれよりもはやく行う。世の中まだまだしっかりとあいさつできる人の印象が好い。あいさつができるだけで得する。元気よくあいさつできる人は面接もうまくいくに違いない。育英館の三本柱であるからには、卒業までに、きちんとできて当たり前、人からほめられたら一人前、夢実現への前倒し貯金である。