きばっど 大人の体内時計 2019.4.15
入学式のシ-ズンが終わりに近づいた。今年もいろいろな言葉で新入生に自覚を促したが、保護者会長の祝辞の中にあったこの言葉にはどきっとした。大人の体内時計の比喩である。体内時計は「人間が動物である」の前提で考えられたものだから、「春眠暁を覚えず」や秋の夜長の読書など、天候に左右されることはもちろん、「早寝早起き朝ごはん」の世界のものだと信じていた。まあ、時計は人間が作り出した時を考える代物だから、いろいろ考えられるのだろう。
さて、大人と子供の体内時計はどう違うのかと考えてみるとおもしろいそうだ。たぶん、一日24時間が違うとか、進み方が違うとか、いろいろと発想できる。幼いころはよく寝ていたが、大人になれば当然夜更かしになっている。睡眠時間を上手にコントロ-ルできるのが大人には必要だ。しかし、体内時計は休日も平日も同じ時を刻むほうがよいらしい。そう考えると、寝だめをしたりは大人時計にはタブ-だろう。毎日なるべく同じ時間に起きることが大切だ。起きているなら布団から出て活動することだ。ふとんの中にいてはせっかくの大人の体内時計の意味がない。布団から出る理由はいくらでも探せるはずだ。同じ時間に就寝するのが脳にとっては最高であると言われている。大人時計には寝る時間と起きる時間の正確さを要求される。ここまで考えると、大人の体内時計となるには、かなり正確な時間による生活を要求されると考えられる。子供時計より大人の時計は規則正しくあるべきだという話でまとまるようだ。
よく眠れるために体内時計をどう調整するかの話を少しだけ…。強い光にあたると、体内時計は就寝時間を遅めに設定するらしい。夏の夜に寝付かれないのは昼の強い日光のせいも考えられそうだ。夜はスマホやパソコン、蛍光灯やテレビ画面といった人工的な光源も同様な影響を与えるので、就寝時間の近いことを脳に教えてあげることがよい。そう考えると、光の影響は半端ない。寝る前の食事と運動はどちらも身体を睡眠から遠ざける原因になる。カフェインやニコチンの摂取も身体を不用意に刺激しかねない。誰もが待ちかねるような睡眠環境を作ることが大切だ。熱すぎない適度な温かさのお風呂に入り、リラックスできる音楽を聴いてみる。快適なベッドを用意したり、部屋の温度や暗さをほどよく調整したり、いろいろと工夫して、おやすみなさいという話だ。
ここまでくると、大人の体内時計を手に入れるにはいろいろと大変だ。ウオッチはいつでもあこがれで、昭和時代の高校生は入学のお祝いは腕時計(リストウオッチ)だった。ついこの間、妖怪ウオッチというの子供向けアニメも流行した。平成の終わりの今は仮面ライダ-変身アイテムとして登場したウオッチが子供たちの羨望の的だ。育英館の生徒には、ご褒美では取得できない「大人の体内時計」をぜひ、自分で手に入れてほしい。