心のキャッチボ-ル
「連絡はメ-ルでやりましょうか」、「話し合いはズ-ムでよろしく」と言われることが普通の令和時代である。どんな時でもつながれるという安心感がある。しかし、本当につながっているのだろうか。メ-ルの文章のとおり、会話してつながる自信はない。無機質だったり、どろどろだったり……。
「メ-ルは簡潔が大切ですよね」と言われる方もあり、「いやいや自分の言葉でしっかりと書かなくては」と言われる方もある。どちらもそのとおりだ。しかし、相手の表情やその場の雰囲気で本来、会話は進む。心と心のキャッチボ-ルは言葉だけでないところもある。メ-ルオンリ-では、いかがなものか。ボ-ルは取りやすいように投げないと、キャチボ-ルにはならない。
心のキャッチボールとは、「相手と心の中で言葉や思いをキャッチボールのようにやり取りする」と書かれている。お互いの心を理解し合い、共感し合うコミュニケーション。そして、こうも書かれる。「それは時に、言葉にしなくても感じ取れるものだったりする。」だから、話をして、いっしょの時間を過ごして、「あなたとなら、良いキャッチボールができそうだ」となるのだろう。
心のキャッチボ-ルで必要なことは、まず、相手の話をしっかり聞く。その際に、気をつけることは、まず、話を遮らない。相手が言いたいことを最後まで聞く。「聞きますよ」という態度や構えがわかるようにしたい。次に、視線をしっかりと合わせる。目は口ほどにものいう訳だ。これで相手に興味を持っていることが伝えられる。最後に、自分の考えを押し付けない。自分の考えも話題になっている一つだと提案するのはさりげない思いやりだ。とにかく、相手の話を尊重し、共感する姿勢が始まりである。
そして、共感すること、相手の感情に寄り添う姿勢を持つ。その際に大切なのは、まず相手の感情を認める。どんな感情であっても、それは人がもつものであることを理解しよう。そして自分の言葉で「それは本当に辛かったね」とか「すごく嬉しかったんだね」といったように相手の気持ちを反映させる。アドバイスや解決策を急ぐと共感がくずれてしまう。ただ、ただ相手の気持ちに寄り添うことが、時には一番の支えになる。
最後に、自分の気持ちを素直に伝える。これらを大事にすることで、お互いの心が通じ合い、深い理解と信頼を築ける。「素直に伝える」で注意するのは、感情を抑え込まずに、率直に表現すること。でもその際、相手を責めたり傷つけたりしないよう言葉を選ぼう。そして具体的に伝える。曖昧な表現ではなく、「こう感じた」と具体的な感情を伝えると、相手からの理解が深まる。また、自分の感情だけでなく、なぜそう感じたのか背景や理由を共有すると、相手も状況をより理解しやすくなる。キャッチボ-ルを「聞く、共感、伝える」でもう一度振りかえってみよう。