学期のスタ-トは三本柱で
毎回の話だが、学期のスタ-トが肝腎。そのためのキ-ワ-ドがある。「場を清め 礼を正し 時を守る」と学校でよく使われる生活指針である。育英館の3本柱といわれる指針もこのキ-ワ-ドを本校化したものである。
「時間厳守」は授業開始や作業に取り組む場合に事前の心構えや準備をしておこうというねらいがある。着席し、道具を並べ、黙想をして心構えをつくる。形から入り、心を整えることはどんな場合も大切である。次に「先手挨拶」、体育コ-スの生徒の多くが、あいさつの声はよく出ている。ただし、TPOを意識しているかと問われると「どこでも大声」ではこまる。「使い分けるあいさつ」をぜひ学ばせたい。ズ-ム会議、無人化のストアが日常化すればするほど、人と人とが接する時の態度が注目されることになる。その時に、適切なあいさつができる人は高評価につながるだろう。「礼を正す」は未だに、社会での評価につながるものだけに、ここでしっかりと身につけさせたい。最後に「無言作業」である。清掃教育は日本にしかないといってもよい。場を清めることは、心を磨く修行でもある。自分たちが使う場をきれいに保つと、やる気も高まり、自然と学習効率も向上する。まずは、これら言葉を思い出させ、生活のリズムを整えさせる。その後、学習習慣の定着、学力をつける流れは昔から変わらない。
例年、4月の1ケ月でほぼ定着するこの指針を毎学期の最初には取り上げてほしいと語る。同じ文言ではあるが、どう質を高めるかにそれぞれがチャレンジしてほしい。つまり、時間厳守の場を拡げるとか、挨拶はTPOを意識させるとか、作業は毎回の重点を決めるとかである。「継続は力なり」ということわざは、「同じ事を粘り強く続ける」だが、状況は刻々と変わるので「同じ事」にはならない。晴れもあれば雨もある、来客が多くてチリが多く出る日もあれば、自分の担当区域だけが汚されることもある。その時も「同じようにきれいになる」をゴ-ルとして取り組み、きれいにしてこそ、「継続は力なり」となる。
今週の校長室前に「基礎基本の徹底」を掲げた。その必要性を語りたい。CAさんの基本で重要なのは航空機のドアロックらしい。何かの理由で勤務を離れたとき、勤務復帰訓練で必ずやるように義務づけられている。ドアなんて自動で開閉しているのでは?と考えていたが、なるほど離着陸の際は細やかにドアの状況を把握して、いろいろと操作している。途中で開いたらとんでもないことになるからドアロックは最重要なのだ。このように単純に見える基礎基本の徹底が安全を支えている。同じように三本柱の徹底こそ、学校を支えている。だから繰り返したい。今までの達成度はきちんと把握して、さらに高い目標を定めることがポイントだろう。ただ、守らせるだけでは生徒はついてこない。自分たちで守ろうと思うところが大事だ。三本柱はシンプルだが、守ろうと努力すると、新たな成長にきっとつながるはずだ。