鯛焼きと企画力
いろんな企画つくりにチャレンジしたい。若い時はなんでもやってみることだ。まずは企画を依頼する人の思いをしっかりと受け止める。企画を作成するには前のものを参考にする。そして、自分のものを入れる。「昨年と同じ、昨年のまま」は自分の仕事として受け止めない証拠である。「やらされている」では働き方改革はままならない。昨年と今年は違う。授業なら生徒によって変えているのに…。行事も同じように変えるとしてほしい。本質やねらいを押さえれば、現状に応じて内容が変わるのが当然である。
鯛焼きの話をしよう。スタンダ-ドな鯛焼きの売り上げが落ちてきた。さあどうする。社長は味を変えてはいけないという。元祖のネ-ミングも変えたくないらしい。ここからが大事だ。まずは情報収集、リサ-チすると、購買者は女性6割と男性4割、固定客5割に流動層5割の半々という感じである。金額は聞けないが、買っていく個数で想像できる。4ケが一番多く、次が3ケと5ケが同数である。これらを総合すると、売り上げを伸ばすには、「女性の口に合う甘さ」、「気安く買える値段」、「個数は家族分プラスアルファ」を考えることになる。そこで企画原案をつくる。まずはタイヤキ本体を変えたい。今の鯛焼きを1/2の大きさにして、あんこはぎゅうぎゅうにしてはどうだろうか。次は社長の意向を取り上げよう。元祖(たいやき市場)は残し、商品名に「シン」をつけて、「元祖「たいやき市場」の挑戦、これぞ未来の味 シン・タイヤッキ」のキャッチをつくる。採算を取るなら、タイヤッキ3ケで元の鯛焼き2ケの値段でどうかと提案する。そして、差額はカラフルパッケ-ジにつぎ込んで、視覚に訴える。舟形に盛り付けた3ケ、6ケ、9ケの大・中・小セットで販売する。初売りでは七福神を意識した7ケの舟にク-ポンをつけて準備する。次は企画会議である。社長の意向は残してあるので、企画者本人のねらいはしっかりと説明したい。買いやすくしてたくさん売りたいから、初売りの7ケセットは大事である。ここは譲れないところだ。コピ-や包装などは良い案があれば即座に取り入れて、会社全体で考える新戦略にしていく。自分の企画が会社の企画になると楽しい。
仕事を自分のものしたいなら、○○のまま、××のとおりはやめて、創意・工夫・努力の下に自分の企画を盛りつけよう。そのために順位づけのトレ-ニングを常にやっておこう。学園長の願いを例に考えてみよう。これは「一つ」と始まるので、それぞれが大事で、順位をつけられない。あえて、順番をつけてみる。まずは、「情熱」。次が「自己練磨」。「理解、評価」は自分が主体だが、「信頼」は結果として手にするものだ。分類観点「思い、構え(姿勢)、行動、そして、結果」に気づく。いろんなものに自分なりに順位をつけて、企画力を磨いていこう。