心の鏡に映して
新学期が始まり、学校の体制もほぼ固まりつつある。いろいろな課題があるが、神様からいただいた楽しみとしてその解決を図りたい。「自分を磨け」のスロ-ガンは、お話を聞くと、弱点の克服を意識されているようだ。弱点は自分ではなかなか見えない。他人と関わったり、客観的なテストを受けたり(落ちたり)して、自覚する。しかし、弱点は心の鏡によく映し出されると考える。「あの人は嫌い」と思う時、その理由は「自分に似ているから」と思ってよい。人間関係のいろいろでよくある話だ。仲違いするのは似たもの同士が多い。
心の鏡は実によく嫌いな相手を映すようだ。一挙一動が気になり、そこに居るだけでいらいらする。鏡に映してもなんとも感じない相手もいるのに、本当にストレスがたまる。嫌いな相手にこそ自分の克服する弱点がある。心の鏡は凹面鏡だから、嫌いな点(弱点)をすべて見せてくれる。ちなみに、この鏡、三面鏡でもあるから、どこからでも弱点だと感じさせ、なおイライラする。唯一、背中は見えないことは救いとしてとっておきたい。正面から見ると、自分の言動はよくないとわかる。しかし、後ろ姿を見てくれる人には悪く見ない人もいるはずだ。心の鏡も背中を映すことはない。その分、ほっとしてよい。
弱点が見えたところで、さてどう磨くかである。もともとは長所だったが目立たないのであれば研ぎ澄ます方向で、以前から課題として存在し、欠けたり壊れたりなら研磨で、磨き方も方法も大いに変えてみたい。狎れて、現状維持に満足しているなら、新しいことにチャレンジすればよい。知識が古くなり、合わないとあきらめているならリスキリングで磨くことになる。
磨くことも継続しないと結果はでない。今年一年でどうなるものでもないとあきらめずに、磨き始める最初の1年にすればよい。学ぶ者だけが生徒に教える資格をもつという言葉もある。教師の学びは生徒にもよい影響を与えるに違いない。同じ土俵にあがるもよし、まったく知らない資格取得に励むも良し。さまざまな磨き方があるが、自分が輝くためには必要である。これぐらいの価値と決めつけないで磨き始めよう。
ダイヤモンドは大きさもだが、カットの仕方でかなり変わってくる。ダイヤ並に磨き方を工夫するのも面白そうだ。弱点克服に留まらず、長所の伸長もありだと考えれば、多くの趣味のうちの一つをこの際磨いてみてはどうだろうか。仕事にこそしなかったが、好きで好きでたまらない趣味があった人はこの機会に特技にすればよい。磨いた特技は今後の人生に多くの彩りを添えてくれるに違いない。チャンスを無駄にしてきていないか、教職に関係ある、なしにかかわらず、ぜひ今年のスロ-ガンに後押ししてもらい、チャレンジしてはどうだろうか。心の鏡に映る「あの人は好きだ」には、どの趣味を選ぶかのヒントがありそうだ。