国語教室ひらき
1年間の授業を始める際には、必ず自分の教科の教室として、生徒を参加させたい。宮元の国語教室である。今年一年、いっしょに勉強するガイダンスの時間である。教科書の目次を見せて、ペ-ジをパラパラとめくらせる。その中で1年の学びを生徒に概観してもらう。今時の教科書は、付録も充実しているので、資料集や読書案内などもふれながら生徒を誘う。もちろん、コグトレで「何ペ-ジの挿絵は表紙の絵と同じでしたね」の発問もおもしろい。使う教科書への愛着を高め、使用方法について考えさせたい。
次に生徒に自己紹介文を書かせてみる。「教師に名前や自分を覚えてもらう」という目的で、「できるだけ印象づけるように書きなさい」と指示する。書くスピ-ド、文字の形や書き方、ついでに誤字脱字、10分程度で4~5行書けるのかなど、教科に関する基本的な生徒の情報を収集できる。意欲関心・学習スタイルなどがよく見えてくる。また、扉や巻頭の詩を読ませてみるのもよい。声の大きさ、読むスピ-ド、読みのなめらかさ、こちらでも生徒の情報は満載である。国語教室開きは生徒情報の収集も大きな意味をもつ。
次に予習や復習の仕方を指導する。今日習うところを必ず音読する。あるいは、自分が大事だと思うところに線を引いておくなどを約束させる。できれば、最初に取り扱う教材でいっしょにやってみるのもよい。復習では黙読して、大事な言葉や漢字をチェックする。あるいはノ-トを横に置いて、今日の板書に書き加えるなど、振り返り方も教えておく。時間がない場合は、ノ-トや教科書に線を引くやしるしをつけるもよい。とにかく、今日の学習のやりっぱなしを避ける手立てを考えさせたい。教科書をもう一度見るのレベルでもやらないよりはずっとよい。
漢字帳は30分程度を目標としたい。①ふりがなを書く②漢字を書く③訂正をする④間違った漢字だけ練習するのサイクルを教えたい。100字練習なら80字書いて、残りの20字は間違った漢字の練習である。書ける漢字を100字書くのではない。覚える漢字を書くことを教えたい。やたらめったら繰り返しで5回書くよりも、訂正してしっかり1回書く方が良い。できれば次の日にも書きたい。入れたり、出したりの記憶の引き出しを意識する。ノ-ト作りは、国語教室の担任の個性を出すと良い。生徒に言葉を調べさせたいのであれば、1/3の部分に線を入れて、新出語彙をまとめる欄をつくり、授業スタ-トに予習として、10語くらいは調べさせる。教科書ワ-クにまとめがあるなら、自分で大事だと思うものを転記させてもおくのも良い。
授業を受けるマナ-やエチレットについてここで指導しておきたい。質問に答える指名は、みんなの代表として応えるのだから、大きな声ではっきりと言う。指示されたら、その行動をしっかりと行う。忘れものや私語は授業を妨げるだけでなく、人間としてお互いを思いやれない行為である。学ぼうとする者は協力して学ぶ環境をつくる覚悟が必要だ。一生役立つものを手に入れるのだからそれなりの努力をする。「平常点は授業への参加を点数化します」と宣言しても良い。授業を大事にしてこそ、テストで結果を残せる。学習のしつけは全教科に共通するので、どの教科も同じように指導したい。