学級ほどき
1年間担任するといろいろな意味で思いが残る。何度してもこれをうまくご破算にできないのはなぜだろう。だからと言って、担任の色を押しつけ過ぎてはいけない。前の担任との比較される次の担任はイヤな思いをするからだ。転勤先で担任する時、よくそんな経験をしたものだった。2校目の離島の学校ではさんざん比べられて大変だった。「○○先生なら▽してくれるはず」と1年くらい言われ続けた。後の人を考えると、学級をニュ-トラルにしておくことは3月の大事な仕事だと思う。
さて、どういうアイデアがあるか、コパイ(副操縦士のニックネ-ムのAI)に聞いてみた。急に聞いた割にはなかなかよい答えが返ってきた。
思い出グッズを持ち寄ろう:
「〇年生の思い出を語ろう」という活動がおすすめです。3年生なら「中学校生活の思い出を語ろう」が良いでしょう。生徒たちにも「思い出グッズ」を持ってきてもらい、教室で語り合うと盛り上がります。教師自身の思い出のグッズを持ってくることも良いアイデアです。
ありがとうの気持ちを伝え合おう:
一年間を振り返ってお互いにお世話になったことを感謝の言葉で伝えましょう。カードに「ありがとう」と書いて、交換する、手渡すのも良い方法です。
学級目標を振り返る:
学級ほどきの際に、学級目標を振り返ることで、クラス全員で成長を確認し、次年度への期待を抱きましょう。何を残して何を残さないかという観点や新しい関係作りができるようにしておくなど、ほどき方はいろいろとありそうです。ぜひ、自分なりのほどき技を開発してください。
持ち上がりだからいいやと考えずに、ぜひ新しい自分が新しいクラスを担任するくらいの気持ちでお願いしたい。伊勢物語の中に「月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つはもとの身にして」という昔の恋人を回想するシ-ンがある。自分は変わらないが、まわりはすっかり変わったという意味だ。業平さまには悪いが、「いやいやそういうあなたも十分変わってますよ」と言いたい。
わが身も元の身ではないと考え直すのが、令和の人生観とでも言えそうだ。春になれば、必ず新しい芽を出す植物。だれが決めたのでもない。人の細胞さえも2~3週間でかわると言われる。そうであれば、なおのこと「変わらない」は人の思い込みに過ぎない。「三日会わざれば、刮目して見よ」のフレ-ズどおり、人は成長し続ける存在に違いないのだから……。そのためにも、令和6年の新しい出会いにむけ、しっかりと学級をほどくことを3月にやっておきたい。生徒も教師も新しい気持ちで出会うために、さあもうひとがんばりですぞ。