行動の中から知恵を出す
今年度もあと3週間で終わります。どんな成果があり、そして、課題が残ったかをまとめ、改善できることに着手する月になりました。学園で取り組んできたマンダラシ-トの共通項目を分析してみました。全体としてどのくらいの達成感があり、どんな考えや取組がなされているのかについてを考察してみます。
中期目標は8つの小目標からできており、目標が達成されていると24点になります。「定員確保」「学園テ-マ」「とことん面倒」「愛校心・母校愛」「愛される部活動」の5項目は共通に設定されています。それぞれの項目で、評価の最高点は24点とした人もいれば、最低の14~13点とした人もいます。基本、個人としての取組での評価でよいのですが、共通設定であることから、全体がどうだったかで評価した人もあったのではと考えられます。集団の評価特性をとらえる標準偏差は10前後であるので、だいたい同じような評価をしていると考えて良いと思います。つまり、小目標がオ-ル1の人はいないということです。これから、集団としてほぼ均一の評価水準をもっていると推論できます。個々に見れば、評価基準自体が自分に甘いもあれば辛いもあります。これはよい、悪いの世界ではないのですから、これでよしと考えます。その意味で残り4項目は個人設定の目標で、分析、比較しようがありません。
さて、これらの5目標、順に 19 19 19 18 17のポイントになりました。ほぼ8割達成の自己評価です。この数字の価値は、評価基準にばらつきがある、母集団が20名程度と小さいと考えると、デ-タとしてはあまり参考にできません。しかしながら、集団の気持ちは一つとか、全員が同じ方向を向いているとかは十分にわかります。標準偏差を考えると、凝集性も高い集団であると言えます。「教師集団が一枚岩になっての取組が可能」とかの表現にはあてはまります。ただし、この岩の強度とすると、場所によっては薄いところもありそうです。自分の甘い、辛いが使命感の強度に関係するかも知れません。お互いのよさを伸ばし、弱さをカバ-することもこの集団なら可能だという証拠にはなります。「自分の足りない部分は努力する」という意識を各自が持てば、お互いが励まし伸ばし合うなかなかよい集団ではないでしょうか。
ビジネス講話で「集団の中で3割は遊んでいる」という厳しい話もありますが、自然界ではこの3割の遊び集団が非常時の働き手として役に立つとも聞いています。集団の構成は均一でないほうが、非常時や危機管理に柔軟性を発揮できるということです。目標達成には一致団結でも、方法は多用であって良いのです。得意な方法でリ-ド、弱いところは助け合って守るで問題ないのです。限られた教育資産も二毛作や棚田、あるいは放牧、移牧と時間や場所の工夫で有効に活用できます。これからも「行動の中から知恵を出す」の育英館でありたいものです。