今年の一文字を「幸」に
毎年12月になると、今年の一文字が話題になる。昨年の育英館にとっては「周」であった。40周年記念行事は本当に一大イベントであった。学校規模や生徒数を考えると、学校の力をフルに発揮して取り組んでもなかなか大変な行事であった。学期末の生徒たちの自己評価を集計すると、行事への取組はどのクラスでもポイントが大幅にアップした。「40周年記念」の冠がついた行事は「ネバ-ギブアップ」の育英魂を大いに鼓舞したようだ。この成果が、学期末の学習や生活態度に反映してきた。周りへの波及もずいぶんあったようだ。
特別活動は「為すことによって学ぶ」と言われる。その意味で今年の「周」は実に大きな意味のある漢字だ。為すことで学校力もアップする。行事に取り組む時に抱く思いはプロジェクトのそれに似ている。ミッションが難しいほど、人は燃える。そして、驚くほどにがんばれる。そして、やりとげると、肯定感、達成感はこの上なく、高まり、その経験はやればできるという自信へと変わる。この40周年に立ち会えた生徒、職員は、それを手にできたはずだ。
ここで次の10年をどうするかの話になる。生徒たちがインタビュ-で答えた「一人一人が輝く学校に」や「新たな伝統を」という言葉が大事だと思う。
輝くためには何が必要なのか、新しい伝統とは何かの問いは自ずと教師、生徒に向けられた問いになることだろう。「周」の次は「新」で新しい歴史の1Pが刻まれるのだろうか。令和6年の一文字に何がなるのか?1年間をかけてやりとげるものが一文字になれば面白い。
個人的には、「会」の文字に今年も驚かされそうだ。いくつかの偶然と必然で人の人生はできている。22歳の新採時代に教えた生徒たちに、ほぼ半世紀ぶりに再会する。人生の棚卸しと、今までの経験をもとに家庭教育学級や公民館講座で語り始めて、8年目、その中でも声をかけられる偶然の再会に驚いている。同窓会やOB会、元気で出席できる限りは?と参加する。ここでの出会いも感動的だ。「花橘の香をかぐ」ではないが、再会は新鮮な出会いに負けず劣らずに面白い。その時はお互いの立場で言えなかったこと、再会の場面で本音で語り合えてしまう。新しい関係のスタ-トだ。新しい出会いに感謝だ。
一年の終わりには「ポケットや机に入れておかないでもう一度見直そう。」と、やり残し、思い残しのないようにと語った。年が変わり、新しい気持ちで縁を開拓したい。どこまでも、縁は異なもの味なものである。運も巡り合わせでなく、努力してつかめるらしい。20万ずつ買うと確立があがる?信じるかどうかは別だが、チャンスセンタ-は心の中にある。自分から求めて「会う」、「会わなくて」と考える人やものがあるはずだ。今年の一文字に「幸」を入れられるかどうかは、年の初めから、縁や運を待たない、こちらから行く姿勢が大事だ。