全校朝会の話
全校朝会のネタを考えるのは校長の仕事です。10月2日に妙円寺参りの講話を頼まれました。中身は行事の由来やねらいが中心です。
日置市にある妙円寺には島津義弘という人物が祭られている。この人は関ケ原の戦いで敵中突破して鹿児島まで帰った武将である。その時の艱難辛苦をしのんで、青年たちが鹿児島市から日置市まで歩くという行事である。ねらいは長距離を歩く鍛錬である。日置市にある縁で、本校は開校当初から地域行事の武者行列に参加している。歴史に触れ、また、地域の活性化に貢献するというねらいをもつ学校行事である。
これらの理解のために、どんなエピソ-ドをいれるかを考えています。妙円寺詣りの歌、武者の服装、本来の時期など、生徒の知りたいことは山ほどあるはずです。10分間なのでセレクトして語りたいと思います。短かすぎてもいけないし、難しい言葉は使わずに生徒にわかるように語ります。毎回、ぎりぎりの感じです。朝会は時間との勝負ですが、10分で終われるとよいと思います。しかし、時間の進み具合で語られるネタも必要です。使わなければそれでもよいと考えることにしています。
準備ネタは「行事で成長する自分を知ろう」です。ロ-マ帝国の遺跡として古い街道にはマイルストン(石造りの里程標)があります。今でも残っているからすごい。先日の文化祭も自分自身のマイルストンとして意識してほしい。入学、進級してから半年、クラスのまとまりや自立は高まったのだろうか。クラスの成長を考え、どのくらいまで進んだかという話を考えています。
さあ、全校朝会が始まります。校長の時間は10分間、この中でどんな話をするのか、生徒の印象に残すためにはどうしようかと考えていきます。まず今日の話のポイントをハイライトします。できれば項目数を語ります。全校朝会はメモをとることがないのでなおさらです。次に1つめの話と語りだし、終わったら2つめの話同じように語り出します。できればキ-ワ-ドを準備して、間をとるなり、書いたものを掲示するなりの工夫をします。いよいよ3つめの話ですが、「これで最後になります」と言い方をかえてもよいです。終わりに3つのキ-ワ-ドを列記するとか、3つの話に題名をつけるとか、1つめの話は図書館にある本を見てみましょうと付け加えて、印象を深めることが大事です。これらのアンカ-を忘れないことがポイントです。生徒会の任命証も手交しますから、このことも少しは語らないとねと考えながら、壇上に立つことになります。間違えないこと、わかりやすいように、語らなければなりません。校長という仕事もなかなか慣れないようです。こちらは何度もやりますけれど、生徒には一度きり、心をこめて生徒の記憶に残るようにそう思って、いつも体育館に向かいます。