今年の夏もインディ2
インディ話のきばっどからほぼ2週間、もうネタバレしてもよいころなので続きを書くことにします。この夏の映画三昧の締めくくりとしましょう。
第2次大戦ははるか昔の話となり、人類が月旅行を成功させる時代になっている。大学で考古学の講義をしているインディは冒険とはほど遠いただの年寄りだ。考古学の講義も学生の興味を引けず、面白くない毎日。妻との離婚協議、その原因となった息子の死が彼に重くのしかかっている。パンツ一つで歩き回り、近所の騒音に文句を言う姿は、悲しいほどである。どうしたインディ。ふけるのはまだ早いぞ。誰しもがスクリ-ンの中の彼に声をかけたい。今日も大学で不満げに講義している中、彼の話に真剣に耳を傾ける美女が現れる。その後、研究室を訪ねた女は、インディを名付け親だと語る。そして、列車の中で奪い合ったあの機械の話が出てくる。親友と命がけで取り返した「アンティキラ」、どうやら、親友の娘が語るには、時をさかのぼれる秘密の道具のようだ。冒険の幕は上がった。あの曲が劇場一杯に鳴り響く。(うれしくなる)
今はロケット開発者となっている天才数学者、実はナチスドイツの信奉者はこの機械の秘密を入手し、その片割れを探している。正常に動くのに必要な残り半分をめぐっての攻防が始まる。名付け親インディとその娘で世界中を駆け巡って、ダイヤルの半分を見つける冒険だ。行く先々で取ったり、取られたり‥もちろん、アルキメデスの墓を探す旅も準備されている。アンティキラは多くの兵士ともに海中に沈んでいる。その謎を解き明かして手に入れたのに、ナチの科学者にわたってしまう。
彼は時間をさかのぼり、大戦末のナチスを助けようとするのだ。タイムトラベルは成功するが、アルキメデスの活躍した時代に紛れ込んでしまう。飛行機を龍だと勘違いした当時の兵士たちから、攻撃されてしまう。古代の武器を甘く見たため、ダメ-ジを受けた飛行機は科学者もろとも不時着、炎上してしまう。ここに駆けつけたアルキメデスは投げ出された死体から腕時計を拾う。墓にあった時計の謎解きである。とんでもない伏線回収だ。インディもこの時代に思い入れは強く、「自分の死に場所はここ、自分の教えた歴史を確かめたい」とわめく。美女から殴られて気を失い、現在へ連れ戻される。
インディの幸せとは?結論は彼が現在で目ざめた時間で描かれる。ラストシ-ンは妻との和解が象徴的に描かれ、日常がもどっている。美女は微笑んで去り、冒険は何事もないように忘れ去られていく。あなたはここに居てもよい。インディ 幸せはここにもあるんだよ。その気になれば、煌めく時間の中にでかけてもよい。でも、しばらくはここに居て‥‥。そんなメッセ-ジがこめられたエンディング。冒険の旅も一休みなのだろうか。あの曲は変わらずに流れていく。