今年の夏もインディ
今回の「運命のダイヤル」でも、考古学の話は満載でした。なにしろあのアルキメデスに出会うしかけには本当に驚きました。これを見ないで夏は終わりませんね。大満足。本当にハリソン・フォ-ドには感謝、インディシリーズでは毎回、たっぷり楽しませてもらいました。スターウォ-ズのハンソロ船長も、イケメン、タフガイでステキだけど、苦手なものがヘビで、めっぽう情にもろくて、仲間のためには命をかけるというインディの魅力も捨てがたいです。今回も設定どおりのお約束どおりのインディでした。ファンの期待を裏切りませんね。映画ってこうなければいけません。「美女 ロマン そしてちょっぴり辛めの現実」 う-ん、なんとも言えない味付けです。寸止めの美しさでしょうかね。しゃべれすぎてネタバレしそうなので、本編の筋にふれない程度に語らせていただきます。続きはぜひ映画館で…お楽しみください。
夢の大きさや面白さはそれと比べるものが大事なのです。いかにもありそうな話が積み上げられて、気がつけば大きな面白さを生み出す。脚本家の腕はそこなのでしょう。ないとわかっていてもあると信じてみたくなる。いくつかの伏線を準備してありますよ。お馴染みの墓探しシ-ンは何度も見てもうれしい限り…。「アルキメデスの死体に腕時計がある」この伏線でエンディングを納得させて終わらせるのです。どこでこの時計は彼の手に渡るのでしょうか?
第2次世界大戦末のドイツから話は始まります。このシリーズを見ている人なら、ドイツ将校姿の彼を見たらびっくりしますよ。全然変わっていない。ナチスはヨーロッパの古美術品を集めて、ベルリンへ運ぼうとしています。敗戦濃厚のナチスにとって美術品強奪は一発逆転の陰謀でもあります。歴史を人質にしようとするのですからインディが許せるはずがありません。また、伝説や魔法の力に頼ろうとする陰謀も語られていきます。そこで、ロンギヌスの槍が登場します。磔刑に処せられたキリストの死を確認するため、わき腹を刺したと新約聖書にも記され、この箇所で、イエスが一度死んだことを強調しているとも、またキリスト受難の象徴でもあるとも言われる例の槍です。聖遺物崇敬が高まった時代にいくつかの「聖槍」が発見され、現在も複数が保存されているのです。これがナチに持ち去られたという事実に基づいて、最初の場面が作成されたようです。友人と世界の考古学的に貴重なものを守ろうとするインディの冒険から物語はスタートです。ベルリン行きの列車で繰り広げられるドンパチの中で、槍は偽物であるとされ、その最中にアルキメデスのダイヤルの片割れを発見するのです。かの有名な「アンティキラ島の機械」に着想を得ています。何に使われたかわからないこの精密な機械にはさてどんな働きがあるとするのでしょうか。これをめぐっての争奪戦が前半の見せ所。若い日のインディを見せられるファンにはたまらない。