心の距離感をもとどおりに
新鮮な4月からお互いの気心が知れ、仕事にも拍車がかかる5月、人の心はそれぞれでなかなか切り替えのうまくいかない人、リズムに乗り切れない人もいる。そんな人との心の距離感はうまくとれているだろうか。励ましのしすぎも含めて、思いやりのない言葉を使っていないか。もう一度見直してみよう。
チ-ムで仕事をする場合、一直線型の仕事なら一番遅い人ができあがるまで待つぐらいで計画は進めたい。遅れないように、最後尾の人には進捗状況を早めにフィ-ドバックすることだ。もちろん、人を見ての話だが、手伝うことも提案して良い。しかし、平行型やグル-プで仕上げるタイプとなると、仕事を全体でどんな形で完成させるという枠組みも見極め、進み具合も相互に連絡をとることだ。これは同時に進めることも必要だからだ。大きな仕事こそ、各グル-プの仕事の進捗を調整したい。進めながら改良もありうるとしてもよい。
難しい話をするより、お互いがよく語り、意志の疎通が為されることだ。天の時、地の利がなくても、人の和は必要とされるのはよくわかる。人の「和」は「話」でもある。5月は心のカゼにもかかりやすい。直すにはよく温まること、人の言葉に傷つくという指摘があるものの、心のカゼには一番の薬、「認められる、信頼される」の声かけが大切だ。初めての中学生はそういう場面にあると考えて接していこう。コロナのおかげで、本当に距離感がおかしくなった。以前も書いたが、出会う縁はつなごう、続けようと努力しないと切れてしまう。
仲間なら確認したいものは遠慮なく‥‥という距離感の感覚でいかなければ、なかなか元の距離感にもどらない。この際、遠慮することなく、自分の考える距離を提示してみたい。相手だってどうすればよいか、迷っている。相手の反応を見て、新たに距離を取り直しても良いはずだ。感染防止のソ-シャルデスタンスは物理的な距離であり、心の距離ではないのだから‥‥。過去3年は取り戻せないが、心の距離は拡げたままにしてはいけない。感動する力を高めるために、人と人がふれあう体験活動をもとにもどし、そのことについて本音で語り合える友人関係も同じようにもどしたい。
生徒の名前も「さん」づけしてどんどん読んでみたい。マスク生活のおかげで正直、生徒の印象が薄い3年間を過ごした。「声を出さない」にしばられて、生徒との距離もずいぶん開いてしまった。今年こそは、顔を普通に覚えられる年になると期待している。学園歌も大きな声で歌わせたい。愛校心もここから育つはずだ。いろんな意味で正しい距離感を取り戻す5月になればよい。5月は、新芽も生徒も一段と輝く。成長に驚き、それを楽しむ月にしたい。
万緑の中や吾子の歯生え初むる