遠足的行事では
遠足は旅行的な行事である。旅行的な行事にはかねての生活と違う人間関係が見られる。それは新しい自分との出会いである。また、新しい友人の発見でもある。だから、「旅は楽しい」のである。
今回の遠足は、知覧特攻平和館と平川動物園である。前者は平和教育、後者は自然の神秘、それとの調和などの教育的価値がある。見学することで、感じるものは生徒個々であるが、感じたことへの意義づけをきちんとしておきたい。
1945年8月15日、戦争が終わる。2022年の現在まで日本の上で戦争がおこっていない。77年という平和な時代を私たちは生きている。いかなる理由があれ、戦争はよくないと資料を見学すれば、考える。ぜひ、平和の尊さありがたさを感じ取ってほしい。自分と年の近い若者がどんな気持ちで死にむかったかを知ると、心が痛む。この生徒たちにけっしてそんな思いをさせてはならない。
次は、平川動物園である。地球上に住む多くの動物、同じ生物で仲間だという感覚で見てほしい。食べる、寝る、遊ぶ、それぞれの生を精いっぱい生きている。人間だけが尊いのではなく、どの命もそれなりに大切である。地球を大事にするとは、これらの動物たちの命を大切にすることでもある。かねてはなかなか会えない動物たちをじっくりと見てほしい。どことなく、自分に似ているところがあり、親近感を覚える場面もあるだろう。それだけ、生命体としては私たちの存在は近い。共に生きる地球環境を考える上で大事な気持ちである。
旅では個々の人間性がよく表れる。その意味で、人間関係を見るチャンスである。生徒同士がどんな人間関係にあるのか。4月から6月にかけてどんな人間関係が形成されているかを見届けたい。この関係は良い意味で変化させていきたい。大事なのは互いを尊重して、学び合う関係に育てることだ。依存しすぎて、不満を言い合う、傷をなめあう、鬱憤を晴らすの関係では人間的な成長に資することはできない。さて、どんな様子で把握するのか、食事を共にしないのか、あるいは、同じ遊びをするか、しないかという「いっしょに行動する」などの観点である。リ-ダ-性のあるなしもわかる。忘れないうちにせっせとメモしておこう。
生徒たちの素直な感想は、学級だよりや保護者への情報としても活用できるので、生徒の発言や日誌の文章も残しておこう。行事の目標達成ができたかの評価にもつながる。行事の中で経験したことは、次の行事の改善点にもつながる。今回のボランティア係のよい動きを賞賛し、生活係や学習係の活躍の場を次は作りたい。集合写真は生活係で、手作りパンフや設営物は学習係で担当するなどである。特別活動は「為すことによって学ぶ」である。