朝の会・帰りの会
生活のリズムが確立してきたら、目標をもって一日を過ごすことを学ばせたい。大人になって大事なことは計画性である。そのためには一日の計を立てる練習をぜひさせたい。大人になれば、仕事を何本も平行して進めることになるが、どの仕事も自分でやりとげない限りは人はやってくれない。途中で他人に任せてしまう、しびれを切らした上司から仕事を取り上げられる。どちらも社会人としてはいかがなものかである。「計画的に仕事ができる」は社会人として必要な資質である。これは中学校から育てなければ、身につかない。「今日、何をやる、どんな順番でやる」を朝に自覚させたい。一日の計は朝にある。
また、朝の会は一日の見通しをもつ大切な時間であり、帰りの会は一日の目標達成を考える時間である。基本自己評価であるが、係活動と関係づけると「何々係です。○○は守れましたか」の挙手で評価することもありうる。また、「自分の態度や取組を考えてみよう」は、生徒自身のメタ認知の力も高めることになる。「黙想」は心の落ち着け方、心の整え方を身につける時間にもなるだろう。「3分間スピ-チ」も隔日おきに設定しても良い。自分の意見や考えを述べる力は面接だけでなく、チ-ムをまとめ、いっしょに働くときにも大いに役立つ。考えをコンパクトにまとめ、発表するはこれでしか鍛えられない。
帰りの会では、黙想させて今日一日を振り返らせたい。内容は「建学の精神」でも「スロ-ガン」でもよい。ポイントを絞りたければ、今月の生活目標、3本柱、意識させたい日にちを組み合わせて考えさせてみるとよい。生徒たちの目標を朝聞いて、それを反省させるのも効果的だ。自分の目標を反省するなら、心に響くはずだ。生徒会の点検活動もアクセントで入れたい。自主性は「気づき、考え、行動する」のサイクルで育つ。まず、「実態に気づかせる 改善を考えさせる 対策を実行する(行動する)」という仕組みを意識的に作り出すこと、それを生徒相互の点検活動からスタ-トさせる。このサイクルを回す内に生徒たちの自主性を育てることになる。
毎日の短い時間だが、生み出すものは大きい。10分の効果は継続するとすごいものになる。たとえると、朝ドラである。あの15分は半年、一年続くと大きなスト-リ-をつくりあげる。そして、そこから生まれた言葉やキャラがブ-ムにもなる。学級の中にも同じことがおきる。担任にとっては大事な時間である。朝ドラといっしょなら、視聴率をあげる工夫はしたい。担任の思い出話から特技披露(手品、楽器演奏)など、マンネリ化したころにおりまぜていこう。10分間で何ができるかをやってみるとけっこういろいろなことができるものだ。「これだけできる」を知ると、計画的にがんばることの大切さも知ることになる。体験が人をつくるのであれば、機会を作り出してよい体験をさせたい。