きまぐれ通信
初めて書いた学級 通信のタイトルは「きまぐれ通信」である。初任校1年目で、ボ-ルペン原紙に書いて、謄写版で印刷した。先輩のまねをして書き出したが、何をどう書けば良いか、だれも教えない時代で自己流のスタ-トだった。月1回のつもりが、周りにおだてられて、2週間に1回のペ-スになった。生徒たちも楽しみにしてくれて、なんとなく続いたのを思い出す。3校目で「きばっど」のネ-ミング、これはB4裏表2枚、構成は、学校生活の様子、今週の行事紹介、担任の思い、学級役員紹介、生徒の生活記録などである。担任の思いを書くことが、とても役に立った。
学校の様子を語る生徒とそうでない生徒、中学生という年頃の男子はなかなか家では語らない。初めて中学校に進んだ生徒の保護者は情報が少なくなるので心配する。学校の様子を知りたい保護者には通信は必要不可欠なもののようだ。学級通信の威力はばかにできない。この努力で、保護者を信じる者にすることが担任に必要だ。言葉で語るチャンスがなくても、言葉を残すことはできる。日報を書く人もいるが、そこまでやるのはなかなかである。つまるところ、来週の情報を含めて、生徒たちが学校ですごしやすいようにが目標である。また、生徒たちの生活の質をあげるためにも学級通信は役立つ。生徒に語るように親にも届けたい思いがある。親の読みを意識して書くことも大切だ。反応は親からの手紙として返ってきた。1週間に1枚はなかなかだが、そのおかげでいろいろな誤解や不満も回避できた。労力を惜しんではいけない。また、学級の記録にもなる。1年のまとめの学級文集を作るときには、生徒たちから記事の掲載をもとめられたものだった。生活記録を6名ずつ載せるようにしていた。全員が5~6回のるし、直筆だから、なんとなくだれかもわかる。他の生徒への教師のコメントあるから、生徒たちも楽しみにしていた。
保護者は悪い情報を嫌う、しかし、成長や改善を目的にしたものであると認識すれば自ら求めることもある。そのタイミングや程度を把握するためにも、家庭への情報発信にはチャンネルが多い方が良い。家庭からの要求には、担任は答えようと努力したい。内容によっては学年や学校の問題もあるが、少なくともフィ-ドバックをしたい。担任としてどう考え、どんな動きをするのか、いつまでたっても何もないでは本当に信頼をなくす。一度なくすと信頼はなかなかもどらない。それだけでなく、へんなレッテルを貼られてしまう。「毎日、生徒のことを思える担任は大変だけど幸せ」と思いをさらっと書けば、保護者はダメな先生とは思わない。「ダメとそうでない」の違いは保護者の心をつかめるかどうかのようだ。生徒の2倍の保護者を担任するつもりで書けば、学級通信への意欲も高まる。メ-ルやインスタと違うぬくもりを届けられそうだ。