学級開き
年度始まりの大事な仕事として、学級開きがある。ここでは、自分の経営の理想を語ってほしい。年度初めに経営案を作成したら、生徒との出会いを機会に、付け加えることも大切だ。経営の中心となる言葉は何か、それを支える言葉は?と問い直したい。これらは1年間生徒に言いづけるものになるのだから。
孵化した雛鳥は最初に見たものを母親と認識する。4月の出会いの日に語られる言葉は、生徒の心に残るものとなる。自然と、一年の指針となっていく。その意味でも、出会いの時に、担任はこれらの言葉を使い、熱く語ってほしい。
次に約束も大切である。信頼はお互いに「守るもの」がある時に成立する。「私はあなたたちを信じる。あなたたちも担任を信じなさい。」と語ってよいと思う。
「このクラスでは次のことは絶対に守ろう。1命を大切に 2思いやりを大切に 3自分を成長させよう」と語り、具体的に、健康、言葉遣いの話、検定、進学、部活動でのチャレンジなどへと拡げていきたい。さらに、「提出物は朝の会が始まる前までに、欠席の連絡は‥」など、担任として学級をスム-ズにまわすのに必要な詳細を語りたい。これらをレベル分けして「きちんと守る」を確認できれば、学級が開かれたと言えるだろう。もちろん、意欲づけがなされるようには、これらを構造化し、必要なレベルを調整して語りたい。
生活の3本柱は学校全体で守るが、学級でも取組、点検の仕方を決めておくとよい。「このクラスでは、朝、黙想をして今日の重点を確認します。帰りの会で、日直からできたものを挙手してもらい、確認します」という具合だ。相互評価や自己評価ができるよう明確にしておくとよい。時には紙面で確認させることも必要だ。自分で守るが基礎・基本であり、その上でお互いに守り合うことだ。そして、全員の協力で高め合うと達成する目標を構造化しておく。きまりは集団の質が向上すれば不要になる。そのことを生徒に体験させるとよい。また、決まりは自分たちで変えていけることも体験させたい。学級経営の最終目標は主体的な集団へ成長させることだ。担任のいらない学級がよい学級だ。
教科経営でも学級を開きたい。使用教材に名前を書かせたり、中身を見ることからはじめてよい。そして、ノ-トの書き方、長期休みでの取組なども簡単に語っておきたい。その上で日々の授業のスタイルにもふれておくとよい。 「集中」と言ったら、作業をやめて、教師の方をむく。黒板のここに書くのは、授業のまとめの部分である。このような具体的な学習の受け方も示すとよい。学習のてびきから、教科部分を別途印刷して、教科書に添付させるのも意識付けになる。ノ-トは書き写すだけでなく、整理する、感想を書く部分などと場所を決め、書かせることで、自学自習を学ばせたい。4月はオリエンテ-ション月と考えて、授業の受け方、宿題の仕方の学習方法を丁寧に指導しておこう。