生徒への語りのかまえづくりが生徒指導の話になって終わってしまったので、少し視点を変えて語り直したい。生徒指導ではこんな語りがよいと話は進んだのだが、授業場面ではこう語りたいと、キ-ワ-ドでの語りおすすめしたい。
キ-ワ-ドでの語りというイメ-ジをつかむ話から切り出したい。移動する乗り物の中で、ふと見上げると、液晶パネルに情報が流されていることがある。
12文字から60文字の間で流される情報は、キ-ワ-ドの連続だといってもよい。かねてからキ-ワ-ドに注意して聞いたり、書いたりが要求される。語る方も、聞く方もこのキ-ワ-ドを外して理解することにはならない。つまり、常識として使う言葉で、理解がぶれない言葉が使用されている。
もし、この情報が理解できないとすれば、現在の日本の常識から取り残されていると考えても良い。これらの言葉は、学校や家庭で使われなくてはならない。新しい知識の獲得が自分でなされるようにしておくことが必要だ。また、限られた時間でどれだけのものを聞くことができるのか、理解できるのかの力も向上させなければならない。
鹿児島中央から乗車し、ハウステンボスに行くとすれば、途中の乗り換え駅で下車する必要がある。駅名と所要時間の情報をどう活用するのか、朝食を食べてないとすれば、弁当を買えるかどうかを判断することにもなる。到着時間だけでなく、発着時間も調べたい。スマホのどんな機能を使うとよいかとなる。天気が怪しげなら、お天気アプリの出番である。キ-ワ-ドで聞き、新たな課題解決にむけて知識を統合する。まさに生きる力である。予算が1000円しかないと仮定すれば、立ち食いうどんですますのか、おにぎりとお茶の昼食にするのかは到着駅の様子を次第だ。詳しく調べたい。快適な旅を楽しむためには、一つの情報に重ね合わせていく部分と広げていく部分が必要なようだ。
授業の中に取り出すキ-ワ-ドにもこんな作用があるものがよい。その言葉をきっかけに無数の関係が形成され、新たな課題までも導き出されていく。数学の展開や分解ではないが、取り上げたキ-ワ-ドがこんな形に展開されていくことを見せると生徒も興味・関心が高まる。自分たちでもやってみたくなる。キ-ワ-ドで語ることはそんな意味でも重要だ。
先生は世の中を知らないので、「甘い」と言われる。夢や希望を語る人が甘くなくてどうする。世の中を知らないから言えるという話も否定はしない。学校は未来への適応と創造を任されている。だから、創造を考えて、学校は甘い。創造はまちがいから始まる。失敗から学ぶことは、偶然できた成功よりも多い。夢や希望のない未来にだれがあこがれようか。未来を見たいと思うなら、失敗に強くなることだ。失敗なんか乗り越えていけ。失敗から学べ。