きばっど 出る杭を活かす教育を 2020.1.31
出る杭を活かす教育の展開をお願いしたい。閉塞感が高まる社会の到来が予想される日本、弾力性のない社会で物事が進展するためには「始まりの人」を育てる必要が今まで以上に高まると考える。かつて、日本は均一のレベルの高い労働者を求め、教育を実行した。それは国力を高める点で十分に効果的だった。同じ製品をまちがいなく作れば、それはメイドインジャパンとして世界で信頼され、売れた。しかし、「創造性」はこの目的と相容れないところもあり、効率的な経済的な進展にはあまり役に立たないとされた。そこで、学校教育の中では「出る杭はうたれ、ひっこぬかれる」ことになった。
同じように教えて、考えさせても、なぜ違って見えるし、違った答えを発表する。そんな生徒がいる。均一をめざして教育する中に出てくるから、目障りな存在である。この生徒にこそ、始まりの人になる可能性があることを教師自身が理解できなかった。それは当たり前で、授業の妨害や遅延をまねく厄介者とレッテルをはり、教え込む授業を求めて先へ先へと進んだ。最初は目立っていたこの子はついには均一であることに埋没させられ、そのように社会で生きるように強制された。出る杭に存在する空間はなかった。どのように違ったのかを学級に返して、みんなで考える余裕は本当にないだろうか。子供の発表を一人一人に返していくことで、みんなの考えは深まらないのか。成功のヒントは間違いの中にあることが多い。どう間違うかを論理的に解明することはけっして無駄ではない。発明王エジソンには「私は100通りのできない方法を発見した。だから次は成功する方法を見つけやすい」とまで語った逸話がある。
出る杭を大切にする時代がやってきた。LCRは出る杭を育てる教室にしたい。プレゼン力は相手にどう印象づけるからスタ-トし、こちらの土俵に引き込んでの「つかみ」で勝負する。次は中身がなくてはならない。せっかくつかんでも中身が魅力的でなければ興味は薄れ、心は離れてしまう。どんな材料をどう面白く味付けできるのかは、今までと違う視点でものを見れるかである。豆腐イコ-ル水炊きや味噌汁ではこまる。ハンドクリ-ムだったり、シャンプ-だったり、シートベルトだったり、発想の広がりと新規性が決め手だ。そんな力をつけたい。そして、最後は価値である。出る杭には出るなりの心があってほしい。世界の平和、温暖化阻止とか、プレゼンはWINWINの構造があると成功すると言われる。相手意識、相手への思いやり、ここまであれば心をうつものになるだろう。叩かれず、引っこ抜かれない、出る杭を大いに育ててほしい。 早速、自己追究、討論する時間の個人発表、グル-プ活動での全員リ-ダ-体験など、「杭」が出やすい環境づくりを考えてみたい。