きばっど ささやいてご 2019.9.10
新しい社会の到来が話題になっている。今から30年ほど前、ノストラダムス予言の世紀末予言が一世を風靡した。「宇宙からやってきた大王に地球がほろぼされる」という話だ。今度は新しい社会に滅ぼされそうだ。離島や僻地に荷物を届けるのにドロ-ンならひとつ飛びである。目的地さえ言えば自動運転でどこまででも連れて行ってくれる車もある。マックやケンタッキ-ではロボが対応してくれる。これらすべてがささやいて5.0だ。ついていけるのか?
何回聞いてもこう聞こえるし、発音すると変な顔をされるし、「ササヤイテ ゴ-」でよいという気になってきた。こう聞こえる私は、これからの社会は大きな声で言えない社会なのかと勘ぐってしまう。教科書を立て、先生の視線をブロックしてSFを読みまくった中・高校時代、あのころは見果てぬ夢があった。その話の中に出てくる物が次々と実現していく。ちなみにケ-タイは、昭和40年代のアニメにも登場しているし、機械が人間を支配する「タ-ミネ-タ-」の世界も一部現実になった。衝撃は大きく、いつかやってくる時代に警戒しようと思った。あれからわずか40年あまり、AIの進化は著しく、世界と簡単につながるケ-タイやIOTになれている自分が不思議だ。
瞬間移動、ワ-プ航法、惑星間横断チュ-ブ、宇宙エレベ-タ-と、いろいろな言葉がSFには出てきた。インタ-ネットで世界がつながると、知識の拡大と生産が半端ないスピ-ドで進行する。立ち止まれない所に来たことを感じる。最先端の技術が人間にどんな影響を及ぼすかをしっかりと検証しないで、流行させ、世界に広げることはパンドラの箱を次々と開けることと同じだ。年代や性差を無視した技術は、心の発達段階に大きな支障を生み出さないという保証は全くない。
「ささやいてご」はできるだけおおきな声でみんなに注意してから「ご-」してほしい。ケ-タイやゲ-ム機の普及が社会不適応や依存など、多くの犠牲者を出していることも考えたい。その世界に行ってしまった生徒を救いたくても難しい。何百時間もかけておもしろさを作り出すゲ-ムクリエイタ-に、教師が束になってかかっても勝てるはずがない。引き戻す戦に負ける度に、心を病んだ生徒に何もできなかった無力感だけが残る。生徒指導の問題でなく、病気だと考えて一刻もはやい診断と家族を含めた全員の協力が必要だ。ゲ-ムに対する態度がおかしいと感じたら、早めに受診してほしい。のめり込むまで悪化したら確実に本人の社会性を奪ってしまう。ゲ-ムの中でしか生きられない。「ささやいてご」で起きることを予測すると、さらに抜け出せない世界が準備される。話題になっているVRはさらにたちが悪い。なにしろ「仮想現実」と訳されるくらいだ。もう現実とかわらない。迷子の呼び出しも届かないだろう。簡単に探せない。