常に英才たれ なぜ学ぶも大切だが、どう学ぶかも大切 2019.6.17
化学の授業で「液体の沸点が気圧に関係する」という話があった。ここで「つなげる」を持ち出すと、遠足でいった川内原発の冷却水の話とつながる。原子炉容器内では気圧があげてあるので水は沸騰しない。それで効率よく冷却できるという部分である。
新しい社会の到来への準備として、すべての学習知をどうつなげるかが、今後の日本の教育では大きな課題となる。単線的な学びではとうていこれからの社会を生きることはできない。時には複合的、横断的、立体的な学びを試行することが大切だ。
化学の授業参観で「加圧水」が頭をよぎった話である。気圧つながりで悪いが、よく天気が悪くなると頭が痛いというのは、気圧変化を敏感に感じる内耳による自律神経の高ぶりから起こる。お天気痛を防止するには、この原理を応用して内耳に刺激を与えないことだ。耳栓一つで改善できる。純粋の水よりも材料の入った味噌汁が熱いのも沸点上昇を考えれば納得できる。理科のおもしろさは生活と結びつくから面白い。
じゃ数学はどうなるのかというと計算ほど明確に未来を予測できるものはない。預金の金利が低いと未来へ期待がもてなし、老後の資金2000万も数字としてインパクトが強い。身の回りの自然や生活を数字化できないかという話である。トンボやアメンボウの航跡をグラフ化しようと考えると、障害物を予知してどちらに進路を変更するかは、けっこう直線的な感じがする。Xの変域が決まれば、ある地点から変更点までのグラフは書けるし、そこから次の変更点までの軌跡も書けそうだ。個体の軌跡を数多く重ねていくと、ほぼ同じ飛び方をすることがわかる。これらの統計がとれると、変更点でまちぶせて、確保ということも可能である。同じように「チョウの飛ぶ道」も予想可能だそうだ。これも統計学のなせる技に違いない。チョウは日向と日陰の境を見つけて飛ぶらしい。そうなるとチョウを何度も観察する人は、結果として数学的な思考による発見と似たものを手にしていることになる。
これらはすべて人間の脳の働きによる。脳には文系理系はない。課題解決のために動いている。脳は抽象的な思考を得意とするので、肉体を離れて働くこともしばしばある。ある問題ができない判断すると体が動かない。見た目が少し不安定でぐらぐらするつりばしがある。渡らないといけないがこわい。こういう時、脳は否定の判断を下す。原則的に生命維持や痛い経験を優先する。ところが「安全渡れます」と書いた立て札があれば、躊躇なく渡ろうとする。立て札が読めなかったり、別の言語で書かれたらどうなのだろうか。脳を活性化するためには、まず「始めること」だ。「行動の中から知恵が出る」は脳の特性をうまく言い当てている。まずは動いてみよう。