きばっど育英館 逆算の今 H29.5.26
6月は1学期の真ん中、そろそろ中だるみも見られる時期になります。指導監の話ではないが、中だるみ防止策は①初心にかえる、②ゴ-ルを意識するなどです。そしてもう一つ、ゴールから考えた③「今」の価値を理解することなどが考えられます。
さて、生徒たちは中間テストが返却され、それぞれが点数を見ながら、訂正のやり方を考えていると思います。試験の反省と聞くたびに、学生時代のなかなか満足しなかった思い出にぶつかります。「もっとあそこをやればよかった」という反省しては、「次は100点とってやる」と意気込んで取り組んだものでした。しかし、何度もそういう思いになり、そのくせ、テストではなかなか達成感を覚えなかった。そんな記憶がだれしもあるはずですが、いかがでしょうか。結果が分かってはじめて、テストまでの自分の取組のいたらなさ、不十分さがわかるのです。正直に言うと、一度や二度のことではなかったと思います。
数学の試験の時、時間が余ったら、「必ず見直しなさい、確かめをしておきなさい」と言われた。この確かめ計算のことを「逆算」と教えられたと記憶しています。本番では時間が無くなり、なかなかこの逆算ができなかった。そのため、計算間違いやケアレスミスの連発となりました。
そこで、実生活の中で逆算するとしたら、過去、今、未来という時間の流れを少しずらして、「今」を「未来」に、「過去」を「今」と置いてみてはどうだろうか。
未来の「今」に向かって、過去となる「今」では何ができるのか。つまり、未来の正解を得るために、過去となる今から必要なものを求めてはどうかと考える。まさに逆算になります。そんな「逆算の今」を明確にイメ-ジできれば、現在やることがよく見えるはずです。また、未来にある程度の成果をあげるためにも、過去となる今を大切にしなければならないし、そこで取り組む程度もおのずと予想がつく。「これぐらいでよい」では、未来から現在となる今に満足できるはずがない。成果をあげるためにも、もっとやっておくべきだの発想が自然と生まれることになるだろう。
「最善を尽くせ」のスロ-ガンには、「全力で ひたむきに」という言葉があう。満足いく目標達成には実に抽象的な表現である。未来の今を意識してできるだけ具体達成するための手立てを描く必要がある。具体的な手立てと言いながら、よく見えない。その意味では「今」という言葉で未来を意識したい。今、悔しい思いをしたり、後悔したりするを未来とそっくり置き換えてみるとよい。そこまでリアルに感じられる未来があれば、過去となっていく今をなおざりにはできない。「今できることをひたむきにがんばる」で取り組むことだ。
「逆算の今」を考えるには、ゴ-ルが明確でないといけない。自分はここまで高まりたいと考えれば、過去の自分の実績や経過を加味して、やがて過去となる今にはこの程度のことが必要であると考えられる。自分の能力をよく知っていればこそ、今という時にどれだけの努力が必要なのかもみえてくるはずだ。中だるみの防止策の「逆算の今」、ぜひキャッチフレ-ズにしてみたい。